夕暮れ時の深い森の中。
1匹のピカチュウが地を這いずり、森からの脱出を試みていた。
しかし、その身体は傷だらけであり、トレードマークの長い耳のうち、右耳が切断されていた。
また、両手足の指先も切断され、関節の断面からおびただしい量の血が流れている。
「チュウゥ~…!チャアァ…ピカァ…!チャアァ~………」
そのピカチュウは辛く、悲しい顔で泣き、全身を刺激する痛みと闘いながらカタツムリのようにズルズルと這う。
頭には、かつて自分と共に旅をし、深い友情で結ばれたトレーナーの遺物、赤いキャップを被っていた。
そのピカチュウの前に、1人の人間が現れた。
ピカチュウはその人間を見るやいなや、大量の涙を流し始める。
「・・・こんなところに居たのか・・・・・・」
「チャアァ~!ピ・・・カアァ~~~!」
「随分と酷い目に遭わされたんだね・・・・・・もう、大丈夫だよ」
男は腰をかがめ、ピカチュウに向かって手を伸ばす。ピカチュウには既に、身体を動かす力が残っていなかった。
────惨劇は、ほんの数時間前に幕を開けた。
【リク作】ピカチュウ処刑でチュウ!
森の中を歩く、二人の影。
少年サトシと、その相棒、ピカチュウだ。
「この森もひっさしぶりだな~、ピカチュウ!」
「ピカピッカ~!」ニコニコ
数年前、サトシとピカチュウはこの森で、野生のピカチュウの群れと遭遇する。
野生のピカチュウ達にとって、この森は楽園そのものであり、皆、とても幸せで豊かな暮らしをしていた。
サトシのピカチュウは、群れのピカチュウ達を見て仲間に入れてもらいたがるが、群れのピカチュウ達はそれを警戒し、快く迎え入れてはくれなかった。
そんな中、群れの中の子供ピカチュウが川で溺れ、サトシのピカチュウは見事、子ピカを救い出す。
その一件で、サトシのピカチュウは群れのピカチュウ達に、暖かく受け入れられることとなる。
助けた子ピカと、そして、群れの同族達と楽しい時間を過ごし、絆を深めていくピカチュウ。
それを見ていたサトシは、この森にピカチュウを置いていく事を決意する。
同族達と一緒に暮らす方が、ピカチュウにとって幸せなことなのだ、と。
しかし、サトシのピカチュウは森に留まる気はなかった。
ピカチュウは、森を去ろうとするサトシの胸に飛び込み、一緒に旅を続ける意を示す。
二人は、森のピカチュウ達に見送られ、再び、共に旅路を歩むのだった。
「・・・あの時は本当に・・・付いて来てくれてありがとな、ピカチュウ・・・」
「ピカピカァ~・・・!」
二人にとって、この森は互いの絆を深め合うことができた、思い出の森なのだ。
今回はイッシュリーグでの大会が終わり、旅が一段落着いたため、昔、森で出会ったピカチュウ達に会いに来ていたのだ。
「みんな、元気にしてるといいな!あの子ピカチュウも大きくなったかな?」
「ピカピ~!チャピカァ~!」ワクワク♪
「それにしても少し、山が汚くなったかな・・・あちこちにゴミが散らばってるや」
山のいたるところには、ケチャップの空の容器や、食品の袋など、ゴミが散らばっていた。
「心無い人たちが捨てたんだろうな・・・。あ、見ろよ、川の水はあの時のままみたいにキレイだぜ」
「チャアァ~!」ゴクゴク・・・
ピカチュウとサトシは、川の水を手ですくい、喉を潤した。
「よし、ピカチュウ達の集落までもう少しだ!」
「ピッカ!」
サトシ達は意気揚々と山道を駆け出す。そんな二人の耳に、突如、ピカチュウ達の悲鳴が聞こえてきた。
「チャ・・・チャアァ~~~~~~~~~ッ!!!」
「ぴかぴっきゃああぁぁぁ~~~~~~っ!!!」
「ヂュウゥアァァァァァ~~~~~~ッ!!!」
「ビイイィガッヂュウウゥゥゥゥ~~~~~ッ!!」「な、なんだ!?・・・急ごう!走れ!ピカチュウ!」
「ピカアァ!!」タタタ・・・
山を駆け上り、集落にたどり着くサトピカ。
「な・・・なんだこれは!?!?!?」
「ピッカアアァァァ!?!?!?」
そこに、集落のピカチュウ達は居た。
生きている者は目を回し、顔面蒼白で横たわってピクピクと痙攣している。
その他の者は、腹や頭、全身に穴が空いて血を流して死んでいた。
「おい!!おい!!大丈夫かみんな!?
誰だ・・・誰がこんなことをやったんだああぁぁぁ!!!」「・・・ワシらや」「ッピカッ!?」
サトシの周囲に、黒くタイトなパワードスーツを着た数人の男達が、バチバチと発火音を鳴らして姿を現した。
それはまるで透明人間が透明化を解除したように、フッと突然現れたのだ。
「な、何だお前ら!?」
その瞬間、サトシは後ろから羽交い絞めにされる。
「まさかこんな山に、旅人が来よるとは思わんかったわ・・・それもよりによって電気ネズミを連れよってな」
サトシを羽交い絞めにした初老の男が、神妙な面持ちで言う。
「ピカアァァァァ!!チャアアアァァァァ!!」
『サトシを離せ!』と怒るピカチュウ。頬の電気袋をバチバチとショートさせる。
「アーーーハハハ!!やらせないよぉ!!」ザクウゥッ!!
サイドを刈り上げた金髪ベリーショートモヒカンの男が、ナイフを持って素早くピカチュウの背後に回り、目にも止まらぬ速さで、頬の電気袋をくり貫いた。
「チュアアアァァァァァァァ!!!ピガピイイィィィィッィィ!!!」ピカチュウは頬を押さえて絶叫する。
「おい、ムド!ほどほどにせんかい!そのネズミは対象外やろ!」
頬をくり貫いた男は「ムド」と言うらしい。頭に手をやり、舌を出してケラケラと笑う。
「
キャッイィ~~~ンッ!!ダマハさん、すんませぇ~~~ん!!!
でもこのネズミを逃がすのを町の人に見られたら、任務放棄と思われちゃいますよォ~~~!?!?!?」
「チャアァーーー!!ピガヂューーーッ!!」
痛みで泣き叫ぶピカチュウ。
「ピ、ピカチュウウゥ!!大丈夫かぁ!?
クソッ!離せッ!!離せェッ!!何なんだよお前たち!!俺達が何をしたってんだよぉ!!」
「・・・アンちゃん、ここに居る電気ネズミ共はな、アカン奴らや」
サトシを羽交い絞めにしている男、ダマハが静かにそう語る。
「この山のふもとに、町があるんや。でかくてキレイな湖のある町や。この山に住むネズミ共はな、その町にわざわざ下りて来よって、人々に電撃喰らわして食いモンを盗み去って、強奪の限りを尽くしたんや」
サトシは驚愕する。それが本当ならば、道中で見てきたゴミは、ピカチュウ達が町で奪った食料だったのだろうか。
「ネズミの電撃で死んだ人間もたっくさんおんねん。そこで街の自治団体は、ワシら組織にネズミ共の駆除を命じたんや。忌々しい電気ネズミを一匹残らず、殺してくれってな。今頃、食料を強奪するために町に下りて来たネズミ共は、湖の側に集められてワシらの他のチームに駆除されてるやろな」
「そ・・・そんな・・・!!」ガクゥ・・・
サトシは全身から力が抜け、膝を着く。
「ピッ・・・ピガッ・・・ヂュ・・・!?」ガッ・・・クゥ・・・
ピカチュウも頬を抑えていた手を地に着かせ、グッタリとし始めた。
「あれれれぇ~~~!?君達、もしかして川の水飲んじゃったぁ!?飲んじゃったぁ~!?!?!?」
ムドが不気味なくらいの陽気さではやしたてる。
「・・・アカンわ。アンちゃん達、川の水飲んだやろ?
実はな、ワシらがこの森のネズミを駆除するために、毒入れとったんや」
サトシは声が出せなかった。ただ全身が異常に震え、目の焦点が定まらない。
「まぁ、心配いらへん。ワシらの邪魔せんかったらアンちゃんだけは後で解毒剤飲ませたるわ・・・
よし、お前ら、さっさと済ませてや。ワシは町の方に行ったチームの様子見てくるわ」
ダマハがそう言って去って行くと、他の男達は手に武器を持ってピカチュウ達を駆除し始めた。
「ああぁ~~~っはははははははは!!!殺すよ殺すよォ~~~ッ!!!!」ムドが両手に鋭利な鎌を持ち、それを振り回してピカチュウ達をヤツザキにしていく。
ザクッ!!ドジュッ!!ブシュウゥッ!!「ヂュアアアアアァァァ!!!」「ぢゃあああああ!!!」「ぴがあああぁぁぁ!!!」
「ぴがちゃああああぁぁぁ!!!」「ぢゅぴいぃぃぃっ!!!」
ピカチュウ達は泣き叫び、血にまみれていく。
心臓を一突きされ、即死する者も居れば、深手を負ってのた打ち回る者も居る。
「アーーーーーッハハハハハハハハ!!!アッハアァ~~~~~ッハハハハハハハ!!!」ムドは子供ピカチュウの肛門に鎌の柄の部分を突き刺し、子供ピカチュウの身体を振り回して、鎌の刃を親ピカチュウの口の中に突き刺した。
「チュピャアアアアァァァァッ!!ヂューーーーーッ!!!」ジタッバタッ!!
子供ピカチュウは肛門から鎌の柄を抜こうと動き回る。
しかし、そのせいで親ピカチュウの口の中で刃が暴れ、口の中が血で溢れていく。
「pgはぢゅdうっ!!!dyぴぢyっy~~~~っ!!!」グチョグチャッ!!
「アアアーーーッハハハハハハハ!!!アアアアハハハハハッハハハハッ!!!」ムドは狂気に満ちた笑い声を上げながら、鎌でピカチュウの腹を、顔を、手足を切り刻んでいく。
「ヒャハアアァァァ~~~ッ!!!ノアマくぅ~~~んっ!!愉しんでるかぁ~~~いっ!?!?!?」ムドが話しかけた男、ノアマ。彼は太めの体型で黒縁めがねをかけていた。
ムドとは正反対に、無言でマシンガンを乱射してピカチュウを駆除している。
ダダダダダダダダダダダダダ・・・!!!
「ピイィィィィィッ!!チュアアアアアァァァァァァッ!!!」
ノアマは親子のピカチュウの父ピカの両手足を、蜂の巣状に打ち抜いている。
それを見て絶叫する母ピカと子ピカ。
ひとしきり銃弾を撃ち、動けなくなった父ピカの口に、無言で手榴弾を入れた。
「・・・・・・!ピ・・・モゴ・・・チュピ・・・・・・モゴモガ・・・・・・~~~!!!」
父ピカは身体を動かし、手榴弾を吐き出そうとするが、全身に回った毒のせいで、上手くいかない。
そこへ、母ピカが手榴弾を抜き取ろうと、必死に手を動かして父ピカの元へと這いより出した。
「ちゃ・・・あぁ~~~!ぴ・・・かぁ~~~!!」ズリ・・・ズリ・・・
「ピカピー!ピーカー!(ママー!早くパパを助けてー!)」
手榴弾で喉頭を塞がれている父ピカは『来るな!俺を置いて早く逃げろ!』と目で訴える。
しかし、母ピカは『そんなこと・・・できないわ・・・!』と震える声で言い、父ピカの口に手を入れた。
ゴソゴソ・・・ポカッ・・・!!
「ぴかちゃあぁー!」ポイッ!
ドゴオオオオオオオオン!間に合った!母ピカは見事、父ピカの口から手榴弾を取り除き、安全な場所で爆破させた!
自由が利かない身体で抱き合い、涙を流す母ピカと父ピカ。
その2匹にノアマが歩み寄る・・・
「次はこれをやるよ・・・」
「ッチャ!?ピカアアアアアアア!?!?!?」
「ちゅうううううぅぅぅぅぅぅっ!?!?!?」
ノアマは安堵にうちひしがられる2匹に、とんでもないものを差し出した。
子ピカの生首だ。ノアマによっていつの間にか首を切断されていたらしい。まだ首から鮮血が流れ落ちている。
さらに、口の中には先ほどと同じ手榴弾が詰め込まれていた。
「ピガピイイィィィィッ!!チュアアアァァァァ~~~!!!」
「ちゃあああぁぁぁぁ~!!ぴかちゃああぁぁ!!ぴかあぁぁ~~~!!」2匹は息子の生首にすがりよって泣き喚く。数秒後、親子は仲良く爆死した。
「もぉ~!マヤネェ~!このネズミ達、不味すぎぃ~~~!!」
「ほんとだなぁ~!ダナカァ!」
二人の男、ダナカとマヤネは、ピカチュウ達を踊り食いしていた。
ガリガリと言えるくらい、長身細身の割に、カニバリズム精神が旺盛のようだ。
ピカチュウ達は、仲間が人間に喰われていく様子を、怯えた泣き声をあげて見ている事しかできない。
「もぉ~!毛も臭いし、食べてらんないよぉ~!」
「焼いてみるのはどうだぁ~!?」
マヤネが小型のバーナーでピカチュウを焼く。
ボオオォォォォォォッォッ!!
「っちゅあああぁぁ~っ!!あぁっちゅうぅ~!!ああぁぁぁっちゅううう~~~~!!!」
全身がケロイド状になったピカチュウ。
「いただきまぁ~~~す」
マヤネは大口を開け、焼死したピカチュウを足から喰っていく。
「うぅ~~~ん、イマイチ・・・だな」
「ねぇねぇ、マヤネぇ!!イイモノ見つけたよぉ!!」
ダナカは草木の茂みから無邪気な少年のような声をあげた。
「ちゃっ!?ぴいぃ~~~かあぁ~~~!!!」
「チュウウゥ~~~ッ!!ピカッピカアァ~~~!!」
「ピガヂュッ・・・ピガアァァ~~~ッ!!!」
ピカチュウ達はとてつもない悲鳴を上げる。
ダナカが見つけたのは、ピカチュウ達の最後の希望、自分達が産んだ卵だったのだ・・・。
「マヤネェ~!早く焼いてよォ~!!」
「待て待て、まずは生で喰ってみなきゃ!」
ピカチュウ達は『お願い!それだけは見逃して!』と泣き叫んでいる。
それを無視して、普通に一つ目の卵を割るダナカとマヤネ。
バカッ☆
「おおぉ~~~!美味しそう~~~!」
「いただきまぁ~~~す」
二人は半分こにした殻の中の胎児を、ジュルジュルと貪る。
「ちゃあぁぁぁ!!ぴがっぢゅーーー!!ちゃあぁぁぁぁ!!」
「ピガピイィィ~~~・・・!!ヂュウウゥゥゥ~~~!!!」
「ぴが・・・ぴが・・・ぢゅうぅ~~~!!」
親のピカチュウ達は絶望感をむき出しにして、泣き叫び続けた。
「うぅ~~~ん!美味しいねぇ、マヤネェ~~~!」
「そうだな、ダナカァ~~~!!」
「次は焼いてみようよ!」
ダナカがもう一つの卵を手に取る。マヤネはそれをひょいと奪いながら言う。
「ダメダメ、生のまま喰うんだ!」
「えぇ~~~!?焼いて食べようよぉ~!!」
「ダメダメ!なまなま!」
ダナカとマヤネは卵の食べ方について揉め始めた。卵をグイグイと引っ張り合っている。
「焼ぁ~くぅ~のぉ~!!」
「なぁ~~~まぁ~~~でぇ~~~!!」
グググッ・・・ツルッ!!
グチョアッ!!
「「ああぁぁ~~~!!」」二人は卵を落とし、割ってしまった。中からは赤くて黒い血まみれの胎児ピカチュウが出てきた。
親のピカチュウ達はよりいっそう、悲しい鳴き声をあげた。
「もぉ~~~!!だから焼こうって言ったのにぃ~~~!!」
「今更どうこう言うなよぉ~~~!!」
二人はヤケクソになって、胎児をグチャグチャに踏み潰した。
その体格のせいか、まるでガイコツが地団太を踏んでいるようだ。
ピカ親子達はショックで声すらも出せなかった。いっそのこと、すぐに殺されることを願い始めた。
「うわぁ~~~!靴の裏がグチョグチョだぁ!・・・アレッ!!」ツルッ
ダナカは足が滑り、親ピカチュウ達の上に倒れこむようにして転んだ。
「べがぢゅっ!!」「ヂュゲエェェェッ!!」「びげぇぢゃあぁ!!」
「あはぁ~~~ん!マヤネェ、起こしてぇ!」
「しょうがないなぁ・・・・・・おおおぉ!?ああぁあぁぁあぁぁ・・・!!」ツルリンッ
ドッシイィン!!
なんと、ダナカの身を起こそうとしたマヤネも滑ってピカ達の上に転んでしまった。
ピカチュウ達は内臓が潰れ、口から血を吐き、死んだ。腹から肋骨が飛び出ている者も居た。
「「はいっ、ジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンジャンガジャ~~~ン」」二人は立ち上がって並び合い、歌いながら謎のポーズを取り合った。
(こんなのあんまりだ・・・!!誰か・・・助けてくれ・・・!!)
毒によって身動きが取れないサトシは、ただ祈ることしかできなかった。
サトシのピカチュウも、毒で苦しみ、涙を流して仲間達が蹂躙されるのを見ている事しかできなかった。
そんなサトシの前に、ノアマが迫り寄る。
「ッグウゥッ!?」
サトシの髪を掴み、首を持ち上げるノアマ。
「お前は何でポケモンを飼っている?」
冷たい目でそう訊ねるノアマ。
「・・・ポケモンは・・・俺の大事な、仲間だからだ・・・!!
ポケモンは・・・お前らみたいな人でなしなんかには理解できない・・・素晴らしい生き物なんだ・・・!!」
「随分な口を利いてくれるなぁ、オイ。ポケモンが素晴らしいイキモノだぁ?
お前さっきの話聞いてたのか?ここらのクソネズミは害獣の限りを尽くしたんだぞ?」
「・・・!それは・・・確かに悪いことだ・・・。だけど・・・ポケモンは・・・人間の言葉を・・・心を理解してくれる・・・!!
話し合えば・・・ピカチュウ達だって・・・きっと・・・わかっ・・・て・・・」
ノアマは手を離し、サトシのピカチュウの脚を引っつかんだ。
「ッピィ!!ッカッアァ・・・!!」ジタ・・・バタ・・・
「この薄汚ねぇネズミが、人間の心を理解するだぁ・・・?
ふざけたこと言ってんじゃねぇぞぉーーー!!」ノアマはピカチュウの右耳の根元にマシンガンの銃口を当て、発砲した!
ドダダダダダダダダ!!
「ピガヂュウウウゥゥゥゥゥゥーーーッ!!」
「ッピ・・・ピカチュウウゥ!!うわあああああぁぁぁぁ!!!」
ピカチュウの右耳は、銃弾によって見事に切断されてしまった。
「ピガッヂャアア!!チュアアアアァァァーーー!!」激痛で泣き叫ぶピカチュウ。
「ギャーギャーうるせえなぁーーー!!」
そのままピカチュウを足で踏みつけ、両手足の指を大きなハサミで骨ごと斬っていくノアマ。
ヂョキッブヂュ!!ヂョッキンッ!!
「チュギャアアアァァァ!!ピーーーガーーーーー!!!」
サトシの方を向いて、『助けて!!』と泣き叫ぶピカチュウ。
「止めてくれーーー!!頼む・・・もう止めてくれよォーーー!!!」サトシもノアマに向かって泣き叫ぶ。
「俺はポケモンが大ッ嫌いなんだ!!てめぇみてぇな気持ち悪いウツツを抜かすポケモントレーナーも大嫌いだ!!今やポケモン根絶風土も形成される町も増えてきているってのによぉ!本当にオメデてぇ奴だなテメェらはぁッ・・・!!」
ノアマが叫び、ピカチュウの頭上にハサミを振り下ろそうとした瞬間、電撃が落ちた。
バチャバチバチバチャチャァッ!!「ッゲギャアアアアァァァァァァァ!?!?」「っな!?何だ!?」
「っぢゅうううぅぅぅぅぅーーーーーっ!!!」「・・・き、君は・・・!」
サトシとピカチュウは、舞い降りた影に希望を見出す。
それは、かつてこの森でサトシのピカチュウと深く心を通わせた子ピカだったのだ。
今やすっかり身体は大きくなり、尻尾の切れ目もついて、立派なメスピカチュウに育ったようだ。
「っちゃあああぁぁぁぁ!!!ぴーーーがっぢゅうぅぅぅーーーーーっ!!!」メスピカは吼えた。
『よくも私の家族を・・・!!仲間を・・・!!大切な友人を・・・!!こんな目に遭わせたな!!』と。
「く、そった、れ・・・」フラッ・・・
「ぢゅーーーーっ!!!」ッドン!!ノアマに強烈な体当たりを喰らわせるメスピカ。ノアマはサトシの側に吹っ飛んでいった。
「ピ・・・ピカァ!!チャアァ~~~ッ!!」
「ぴかぴぃ!ぴかぴかぁ~!!」サトピカとメスピカは、感動の再開に涙する。サトピカに駆け寄り、傷口を舐めるメスピカ。
『会いに来てくれてありがとう・・・!!あの時みたいに、今度は、私がアナタを助けてあげる・・・!!』
メスピカはサトピカにそう告げ、男達に向かってまた咆哮した。
「あ・・・あぁ・・・ノアマ君・・・・・・
ノアマくうぅぅぅぅぅぅぅぅ~~~~~んッ!!!」ノアマが倒され、絶叫するムド。
「あああぁぁァあぁあっぁあぁぁぁあぁぁぁあ!!!!ノアマ君ノアマ君ノアマくうぅぅぅん!!!
このクソネズミいぃぃぃぃぃぃ!!!よおおぉぉくもおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」「うわぁ~!マヤネェ!ムドさんがキレたよぉ!」
「ダナカぁ!ひとまず逃げようぅ!」
逃走を試みるダナカとマヤネ。
「びぃーがぴがっぢゅーーーーー!!!」バチバチバチィッ!!「「う、うわぁ~~~~~っ!!!」」
ドゴォバチバチバチッ!!!
メスピカは逃げようとした二人にエレキボールを喰らわせた。
元々真っ黒なパワードスーツは光沢のない黒色に変わり、二人は動かなくなった。
「ぢゅううぅ~~~っ・・・ぴぃがあぁ~~~~~っ!!!」『次はお前だ!!!』とムドに吼えるメスピカ。
ムドは目を見開き、奇声を上げる。そしてスーツに隠し持っていた鎌をメスピカに向かって投げつける。
「っちゃあっ!ぴかぁっ!!」
身軽な動きで鎌を避けるメスピカ。
「このぉっこのぉぉぉぉぉぉっ!!!よくもみんなをォォォ!!!!」鎌を投げきり、パンチやキックで応戦するムド。しかし、メスピカの身軽な動きには付いて行けない。
「っちゅーーーっ!!!」
ムドの背後に回り、体当たりを喰らわせる。
「っううっ!!」
よろけるムド。得意の電撃を放つメスピカ。
「ぴぃ~~~がっぢゅ~~~~~!!!」
「っぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」ムドは倒れ、サトシの背中に倒れこんだ。
「っぐえぇ!・・・・・・ハァ、ハァ・・・や、やった・・・たす、かった・・・?」
「ぴかぴかちゅうぅ!!ぴかちゃあぁ~~~!?」
メスピカはサトピカに駆け寄り、『大丈夫!?』と訊ねる。
「ピ・・・ピカピィ・・・チャアァ~・・・」
サトピカはかすれ声で『大丈夫だよ・・・ありがとう』と答える。
「ぴかぴ・・・ぴかっちゅ・・・!!」
ここから脱出しようにも、ムドが上に倒れこんでいるため、身動きが取れないサトシの手を引っ張り上げるメスピカ。
サトピカはまだ毒の効果が続き、地を這いずるだけで精一杯だった。
「ちゅ~~~っ!!ちゅうぅ~~~っ!」
サトシを力いっぱい引っ張るメスピカ。もう少しでムドの重みから解放されそうだ・・・。
そのとき・・・!
ピ・・・ピ・・・ピ・・・「な、何の音だ・・・?」
周囲から、不可思議な音が聞こえ始めた。生き物の鳴き声でないことは確かだ。
ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ・・・・・・段々と音と音の間隔が近くなっていく。
サトシとピカチュウ達は、言いようのない不安に襲われる。
ピピピピピピピピピピピピピピピ・・・!!!「なにか・・・ヤバそうだ・・・!!!」
「ピ・・・ピカ・・・ピィ!?」
「ちゃあぁ!?ぴかぁ~!?」
ピ───────。その音の次に聞こえたのは、爆発音だった。なんと、スーツの男達の身体が爆ぜたのだ。
「っちゅあああぁぁぁぁぁーーーっ!!!」メスピカは爆風を喰らって吹っ飛び、木にクラッシュした。
その身体は無残に焼きただれ、右腕を失ったようだ。
「ピカアァ!?ピカピカアアァァ!?チャアァァ~~~!?」サトピカは、かろうじて爆風が届かない位置に居たので、無事だった。メスピカに向かって叫ぶ。
「・・・ピ、ピカ・・・?」
そして、サトピカの目の前に、見覚えのあるキャップがハラリと落ちた。
・・・サトシのキャップだ。
「ピ・・・ピカ・・・チュ・・・?」
サトシの方を、恐る恐る振り向くピカチュウ。
「チュ・・・!
チュウウゥゥゥ~~~~~~ッ!!!」爆発したムドの側にいたサトシは、既に死んでいた。
肩より下の部位が木っ端微塵になり、かろうじて残った頭部も黒コゲになっていた。
「ホンマに・・・ようやってくれたなぁ」
ダマハの声。町の様子を見に行って戻ってきたのだ。
「ワシらは元々、極悪死刑囚なんや。死刑を免れる代わりに、お前らみたいな害獣ポケモンを駆除する組織に入団させられたんや」
スーツを下半身だけ脱ぎ、メスピカに近寄るダマハ。
「そんで、ワシらの体内には爆弾が埋め込まれておんねん。死んだら後片付け代わりに爆破されんねや。どうせ死刑になるはずの人間やってん、爆死しても関係あらへんからな」
メスピカは自分が男達を殺し、それが間接的にサトシを死に至らしめたことを理解し、ボロボロと涙を流し始めた。
「ちゃあぁ~~~・・・!ぴかぴいぃ~~~!!」
『ごめんなさい・・・!!私のせいで・・・トレーナーさんが・・・!!』
「ピカアアァァ!!!チュウゥーーーッ!!」
サトピカの言いようのない哀しみが、声となってこだまする。
「泣いてもどうにもならへんでぇ・・・せめてもの慈悲で、関係のないお前は逃がしてやろうと思てたんけどなぁ。
もうこんなメチャクチャになってんからには、お前も殺したるから待っとれや」
そうサトピカに言い放ち、メスピカの耳を引っつかむダマハ。
「あれま~、お前さん、体ズッタボロやないかい!エグいなぁ~!
ま、ワシのポコチンの相手すんのには、差し支えあらへんがなぁ・・・」
ダマハの股間はビンビンにいきり勃っていた。
「ちゃああぁぁぴかああぁぁ~~~!?」
「ッチュ・・・チュウウゥーーー!!!」二匹はこれからダマハが何をするのか理解したようだ。必死になって泣き叫ぶ。
「ワシの腰使いはなァ・・・
ガキの使いじゃあらへんでッ!!!」ダマハはメスピカの性器にペニスを突き刺した!!
「っちゃああぁぁぁぁぁぁああぁあぁあぁあぁぁあ~~~~~っ!!!」「オッホオォ~!!あかんあかんあかーーーん!!これあかんヤツやーーー!!」
「ぴがちゃあああぁぁぁちゅああああぁぁぁぁぁぁ~~~!!」ダマハは狂喜乱舞し、激しく腰を打ち付ける。
「惜ッしいなぁ!!みんなも生きておったらお前を
リンカーン(輪姦)できよったのにナァ!!
あぁ~~~ホンマにたまらんわぁ~~~!!これだから野生のネズミはアカンのやァ~~~!!」
性器を包む快感に溺れながら、ダマハはメスピカの負傷した傷口を、まるで女性器を愛撫するように撫で回す。
メスピカはとてつもなく痛烈な絶叫をあげ、サトピカに向かって泣き叫ぶ。
「ぴがちゅううぅぅぅぅぅ!!ぴぃぃがあぁぁぁぁ~~~~~!!!」
『お願い!!この男ごと、私を殺して!!』と。
「ピ・・・ピッガァァ~~~・・・!!チャアァァァァ・・・!!!」
サトピカは、この状況でどうやってメスピカを救うか必死に考えた・・・。
しかし、もうこの手しか残っていないようだ・・・。
「ナーーーーハハハハ!!ネズミのくせにええシマりしとるやんけーーーッ!!!」
「ぴがぢゅううぅ!!ぴがぁーーー!!」
激しい音を立てて犯されるメスピカ。
サトピカは苦渋の決断で、メスピカをこの地獄から開放させてやることにした。
「チャ・・・チャアァ・・・!!
ピーーーーーガーーーーーーー!!!」最後の力を振り絞り、頬からありったけの電撃を繰り出すサトピカ。
ダマハの全身をメスピカごと焼ききった。
「ちゃあぁ・・・ぴ・・・かぁ・・・」
ダマハとメスピカは崩れ落ちる。
最期に、メスピカはかすれゆく声で、サトピカに礼と謝罪を告げた。
サトピカは力尽き、まぶたが落ちて狭まっていく視界の角で、ダマハの身体が爆ぜるのを見届けた。
ダマハとメスピカのほとばしる血肉は、サトピカの身体を少しだけ汚した。
数時間後・・・・・・
「チュウゥ~…!チャアァ…ピカァ…!チャアァ~………」
ピカチュウは、サトシの遺品のキャップを被り、森から脱出するために地を這いずっていた。
全身が痛み、今にも気を失いそうだ・・・。
そのピカチュウの前に、1人の人間が現れた。
ピカチュウはその人間を見るやいなや、大量の涙を流し始める。
「・・・こんなところに居たのか・・・・・・」
「チャアァ~!ピ・・・カアァ~~~!」
「随分と酷い目に遭わされたんだね・・・・・・もう、大丈夫だよ」
男は腰をかがめ、ピカチュウに向かって手を伸ばす。ピカチュウには既に、身体を動かす力が残っていなかった。
「探したよォ・・・
ピィ~~~ヤァ~~~!!!」ピカチュウは自分のこれからを、諦めていた。この男もとんでもない殺戮者なのだろうから・・・。
先ほどのスーツを着た人間達とは違い、ブーメラン型の海パン一丁の筋肉質の男だった。
「僕が一般人だと思ったかい!?残念!害獣駆除団体の
ヨジマでェ~~~す!!ピィ~ヤァ~!!
町に来たダマハさんから話は聞いていたよぉ~!
運悪くネズミ駆除の現場に立ち入ったんだってねぇ~~~!!今、楽にしてあげまッピーーー♪
・・・あッ!!組織から配られたパワードスーツ、着忘れた・・・!!
ヘタこいたァ~~~~~ッ!!」男は「orz」のポーズを取り、自分でイントロを口ずさみながら身体を上下させて飛びまわり始めた。
「ッピャッヘヘェ~~~~~ッ!!!ウェ~~~~~イ!!!
ヒュエェ~~~~~イッ!!!
ネズミの駆っ除っにっ♪やって来たっけっどっ♪すでに、虫の息!!!!でもそんなの関係ネェ!!でもそんなの関係ネェ!!
重症だっけっど?でもそんなに容赦しネェ!!でもそんなに容赦しネェ!!」ヨジマはそう言いながら、容赦なくピカチュウを殴る。
「ピィ・・・ピッガァ・・・!!ヂュウゥッ!!」バキッドッゴッ
ピカチュウは身を守ろうと必死で、サトシのキャップを抱きしめてうずくまった。
もう自分の命は、残りわずかの時間であるに違いない・・・。
「チントンシャンテントン♪チントンシャンテントン♪」
ヨジマはサトシのキャップを、ピカチュウから無理やり奪い取った。
「チャアァ・・・!!ピカァ~~~!!」
「返してくだチャいって?返してくだチャいって?でもそんなの関係ネェ!!でもそんなの関係ネェ!!」
歌いながらキャップにガソリンをかけ、ライターで燃やすヨジマ。
「チャアァ~~~!!ピカチャアァ~~~!!」相棒の遺品を燃やされ、絶望の表情で号泣するピカチュウ。
「ハイ、燃えッパッピー♪」
「ッチュアアアァァァァァァァァァ~~~~ッ!?!?!?」
燃え盛る帽子をピカチュウの頭に被せるヨジマ。
ピカチュウは身を動かせる力が残っておらず、泣き叫びながら全身が火だるまと化していく。
「ピガチューーーッ!!!ピーーーーガァーーーーー!!」ピカチュウは最期の時まで泣き叫び続けた。
相棒サトシ、そして、再開を楽しみにしていたメスピカの無念や、屈辱を晴らせない無力さを、心の底から恨めしく思ったに違いない。
ヨジマは燃え盛っていくピカチュウの周りを、軽快に飛び跳ねながら見続けた。
そしてピカチュウが焼死した後、死体に小便をかけて組織の基地に無事、帰還したのであった。
おわりあとがきリク作です。
リクコメはこちら↓
リクエストなのですが、
・人に危害を加えたピカチュウ達を、その被害者達が思い思いの方法でいたぶり、処刑するシチュ。(ピカチュウ処刑でチュウ!)
・その可愛さなどで、ピカチュウばかり人間に優遇されるようになり、ピカチュウ自身も増長しているのを他のポケモン達が憎んで、各地でポケモン達によるピカチュウの虐殺が起きるシチュ。(ピカチュウ、ジェノサイドでチュウ!)
こんな感じなのをできたらよろしくお願いいたします。
序盤のキャプチャみたいに、ピカチュウがたくさん写ってる画像ってすっごく興奮しませんか?
僕はSSを書く時、そういう画像を見て虐待のテンションを無理やり上げて書いています。
「ウオオォォーーーッ、虐殺してエェーーーーーッ!!!」って気持ちになります。
今回みたいな作品は、大体そういう気分で書いてます。
- 2013/04/13(土) 00:19:24|
- ピカ虐(中篇)
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