【トキワシティ・某コンビニ】
俺はここのコンビニでバイトをしているメンタ。
今日は新人が入ってくると聞いたが、どんな奴が入ってくるんだろう?
可愛い女の子だったらいいな・・・
ボーっとしてると入り口のドアが開いた。
「あ、いらっしゃいまーーー・・・せ?」
「ぴかー!」
世界的有名なポケモン、ピカチュウが意気揚々と入ってきた。
続いて店長が入ってくる。
「よう、メンタ君!」
「あ、て、店長!このピカチュウは店長の・・・ポケモンですか?」
「ハハハ!違うんだよ!この子は私の上司のポケモンでね!
今日からここでバイトとして、雇ってくれないかと頼まれたんだ!
メンタ君はここでのバイト暦が長いから・・・面倒見てやってくれ!」
「えぇ!?」「じゃ、ピカチュウ君の制服はバックルームに用意してあるから、
着替えさせて簡単な仕事だけでもさせてあげてよ!
私はこれから用事があるから!よろしく!!」
「え、ちょ、待っry」
店長は踵を返して行ってしまった。
店内に残された電気ネズミと、俺。
「ぴかぴーかー!」「あ、よろしく・・・じゃあ、こっち来て・・・」
バックルームにピカチュウを呼んだ。
「とりあえずこれに着替えて」ゴソゴソ
制服を差し出す。
「ぴっか!」プイッ
そっぽを向かれた・・・制服を着たくないのか・・・?
「いやさ、仕事するんだから・・・これ着てくれないとだめなんだよ」
制服の上着を広げ、ピカチュウの頭上から覆わせようとした瞬間・・・
「ビィカァ!!」パチパチ!!静電気を喰らわせてきた!
「うわあぁ!!なにするんだよ!!」
「ピカピカァ!!ッピ!!」
威嚇してきやがった・・・こいつ、当たり前だが常識がない!先輩である俺の言うことなど聞きそうにない!
ピンポローン♪
「あ!お客様だ!いいか!?その服着るまで表に出るなよ!?
いらっしゃいませー!」
・・・なんて野郎だ!あんな調子じゃまともに仕事できるはずがない!
(ポケモンがコンビニでバイトってのがそもそも無理な話だ)
お客様が商品を持ってレジへ向かってくる。商品をスキャンしようとスキャナーを持った瞬間、
「ピッカーーー!」
ピカチュウがレジの上に飛び出し、俺からスキャナーを奪い取った!しかもコイツ、制服着てない!
「きゃあ!」
「あ!てめぇー!お、お客様、失礼いたしました!おい!それを離せ!」
「ピッピカ♪ピッピカ~チュ♪」ピッピッピッピ
お客様が持ってきた商品以外の物をを勝手にスキャンし始めた!
「おい!やめろって!!」ガシ!
ピカチュウからスキャナーを取り返そうとした瞬間!!
「ピィ!!ガアァヂュウゥ~~~!!!」バリバリバリバリ!!「うあああああああああああ!!!!!!!」バリバリバリバリ!!
凄まじい電撃を喰らわせられた!!
「キャアアーーーーー!!!!!」
お客様は慌てて店外へ飛び出した。レジが真っ黒な煙をあげる!
「う・・・うぅぅ~・・・」プスプス
「ピチャチャチャチャチャチャチャwwwwwww」ピカチュウは俺を見下したように笑いやがった。
「てめぇ!!レジ壊れちまったじゃねぇか!!くっそ!店長に報告しなきゃ!」
俺は慌ててバックルームに走った。この間にお客さんが来ませんように・・・
受話器を取って店長の携帯に電話をかける。
しかしその瞬間、俺の願いもむなしく、お客様の来店を告げるチャイムが鳴った。
(くっそ!マジかよ!!
!!!!!し、しかも・・・ヤバイのがきた!!この町一帯を仕切っている荒ぶるヤクザの幹部だ!!)
バックルームのモニタに映った来客は360°どこから見ても筋金入りのプッツンヤクザだ。
あの電気ネズミがおとなしくしてくれればいいが・・・!!!
俺は受話器を握り締めながら祈った。
「おう、黄色ネズミのアンちゃん、マルメン(タバコ)くれや」
「・・・
ピガァ?」
マルメンとはタバコの銘柄の略称だ。そんなのピカチュウにわかるはずがない。
そして『ネズミ』と呼ばれてイラついている。
「マルメンゆーとるやろ!!聞こえてんのかこの
ハツカネズミが!!」
「
ビ!!・・・ガァァ~~~ヂュウゥゥ~~~!!!!!!」やばい!!ピカチュウはヤクザに向かって電撃を喰らわす気だ!!
バックルームの監視モニターからでも、その体勢がハッキリとわかる!
「ビガヂュ!!」バリャリャリャ!!ピカチュウはヤクザに電撃を放った!!
しかし、やくざはそれをヒラリとかわす!!
「このクソネズミが!!」ガッ!
「
ビヂュァ!!」ヤクザはピカチュウの首ねっこを掴み、力いっぱい握り締めた!!!
「
ビ・・・!!!ギュヂュウゥゥゥゥゥゥゥ・・・!!!」
バタバタと抵抗するピカチュウ!そしてまた放電する為にほっぺたの電気袋に電気をチャージした!!
「させねぇよ!!」
ザシュザシュ!!ヤクザはポケットからナイフを取り出し、素早くピカチュウの電気袋を切り裂いた!!
「びぢゅぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」ピカチュウは絶叫し、泣き叫んだ!!
切り裂かれた電気袋から微量の電流が音を立てて漏れ出す。
もうピカチュウは電撃を放てない。ただの黄色いネズミだ。
「びっ!!
・・・ヂュウ!!ヂュッ・・・ヂュウゥーーーーー!!」どうやら俺に助けを求めて泣いているように聞こえるが・・・!
俺はこの事態を店長に伝えなくてはいけない!それは俺の義務なのだ・・・許せ、ピカチュウ!!
「ッシャオラ!!
オラ!!オラララァァ!!!!」ヤクザがガン!!ガン!!と頭突きを喰らわせる!!
ピカチュウは悲痛な叫び声を上げて身体はグッタリし、戦意喪失してしまった。
「これでも喰らえや!!」
ヤクザはソフトクリームサーバーの注入口にピカチュウの肛門を突っ込んだ!!
ズチュ!!!!「ビヂャァァァァァァァァァァァァァ!!!!」昔読んだ漫画、「ジョジョの奇妙な冒険」で
「ケツの穴にツララを突っ込まれたような気分」という表現があったが、
今のピカチュウは限りなくそれに近い状態だ。
「オリャア!!」ヤクザはサーバーのレバーを引き、ピカチュウの体内にソフトクリームを流し込んだ!!
心臓が止まるかのような冷たさがピカチュウの肛門から身体中に流れ込む!!
「ピギャアアアアアアアアアア!!!!」ピカチュウはそのままソフトクリームを流し込まれ続けた。
やがて切り裂かれた電気袋や耳の穴、口、鼻目の奥からもソフトクリームがあふれ出し、
パンパンになったまま絶命した。
俺は受話器を握り締めたままモニター越しにその光景を眺めるしかできなかった。
ヤクザはスッキリした様子で帰っていった。
おわりあとがき
これも短編。「シェイクでちゅう」と同じように生意気なピカチュウを・・・って内容ですね。
コンビニのバイトは変な客が多くて大変なんです。
ちなみに主人公の「メンタ」って名前はキーボードの傍にあったリップクリーム「メンタームスティック」
を見て名づけました。
- 2012/06/05(火) 23:14:00|
- ピカ虐(短編)
-
| トラックバック:0
-
| コメント:1