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ピカチュウ虐待チュウ!

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ピカチュウ、イジメられてまチュウ!

媛奈様から イジメられてまチュウ!

【リク作】ピチューで実験チュー!からの続きです。


とある町の小学校。一台の大きなトラックが正門から入校し、グラウンドに停車した。
グラウンドには、6年生の担任と、生徒全員がそのトラックを迎え入れるためにスタンバイをしていた。

「さぁ、みんなー!研究員のお兄さんが来てくれましたよー!」

先生が生徒達にそう言うと、生徒達は全員、大きな歓声で研究員の男を迎え入れた。


「お、今日は6年生のみんながお出迎えか!みんなー!こんにちは!元気だったかい?」

男はトラックの運転席から降りると、自分を迎え入れてくれた先生と生徒達に挨拶をする。
それは爽やかな風貌から容易に想像できる、清々さを帯びたものだった。

「お兄さーん!こんにちはー!」

「お兄さん!見てみて!みんなでお兄さんの似顔絵とお手紙書いたんだよ!」

生徒達は男の側に駆け寄り、それぞれが一斉に、近況の報告から他愛の会話を投げかけた。
男はそれにたじろぐことなく、生徒達一人ひとりに温かな返答を返す。

「みんな本当に元気そうで良かったよ。
さ、今日もたっくさんのピカチュウを持ってきたから・・・思う存分、イジメてヤッてくれ!」

トラックの荷台の外側に設置されているスイッチを押すと、荷台が自動的に開き、大きな檻が滑車の上に乗った状態でグラウンドへと降ろされた。大檻の中の数十匹の電気ネズミ、ピカチュウ達はすでに疲弊しきっており、唸り声と泣き声を上げているのは、ほんの数匹しか居なかった。

「お兄さーん、コイツら元気ないけど、死んじゃってないー?」

生徒の1人が、男に尋ねる。

「大丈夫、全部生きてるよ。ただ、数日間、食料と水を一切与えてないからじきに餓死するだろうね。
ま、生かすか殺すかは君達に任せるよ!好きにしてヤッてくれ!ははは」

男が笑顔でそう言うと、生徒達も無邪気に笑った。

「じゃ、君達の檻を貸してくれ!今回も一応説明しておくよ!まずこのネズミ達を掴むときは、思い切り耳を掴むんだ」

男は大檻の扉を開け、1匹のピカチュウの耳を、思い切り引っつかむ。

「ヂャアァッ!ピッガァ!!」

男はあえて、必要以上の力で耳を握ったのだろう。疲弊しきっていたピカチュウは、痛みで泣き喚く。力なく手足をバタつかせるその姿を見て、生徒達は指を指して笑っている。

「見てごらん、電気袋は破損させ、歯と爪も全部抜いておいた。これで電撃を喰らったり、噛まれたり引っかかれたりすることはない。その状態で耳を掴めば、完全に抵抗できなくなり、ただのネズミとなるわけだ。

しかし、それでも体力が有り余っているネズミは、ギャーギャー騒いで五月蝿いことだろう。
そのときは、こうしてくれ!」

男は耳を掴んでいる右手を思い切り振り回した!

「チャアアアァァァアアァアァァ!!ピガピイィィイィイィイィーッ!!」

たちまち、ピカチュウは目を回して顔面蒼白になった。今にも嘔吐物をバーストしかねない様子だ。
生徒達はさらに爆笑する。

「これで後は、殴ったり蹴ったり檻にぶち込むなり、お好きなようにどうぞ!」

男は生徒達があらかじめ用意しておいた1m四方の檻の中に、ピカチュウを収監した。

「さ、みんなもレッツ収監~!」

男の陽気な呼びかけにより、生徒達によってピカチュウ達は収監されていく。
そして全クラス分の檻に収監し終えると、その檻を各クラスに運んでいった。
その作業は、一時間もかかることなく、速やかに終了した。

「本当に今回もありがとうございました」

\ありがとうございましたー!!/

先生の後に続き、生徒達も男にお礼を言う。

「こちらこそどうもありがとうございました。
もしネズミ達が死んだら、煮付けにして喰ってみてください!意外と美味しいですよ!
また連絡をいただけましたら、すぐに補充しに来ますんで。思う存分、痛めつけてヤッてください。
じゃ、みんな!たくさん勉強して、たくさん遊んで、元気に過ごすんだぞ~!友達や先生、家族とは仲良くな!」

\は~~~い!!/

男はピカチュウを引き渡して、すっかり軽くなったトラックに乗り、学校を後にした。
生徒達は全員、トラックが見えなくなるまで男を見送っていた。
その後、6年1組担任のT山先生は校長室に報告へと向かった。

「失礼します」

「おお、T山先生。ご苦労様です」

「先ほど、研究員の方にお越しいただき、今月分のピカチュウを収監していただきました」

「そうですか、そうですか・・・。本当にありがたいことですな。
彼のお陰で、我が校はここまで立ち直ることができた・・・」

校長は遠い目で、窓の外の景色に目をやった。

学校でのイジメ問題は、年々、急速に深刻さを増していた。
先生が生徒を、生徒が先生を、生徒が、生徒を。
環境や生まれ持っての資質により、集団生活での個々の立場は決まり、肉体、そして心への暴力は、弱者へと向けられてしまう。
イジメは、ごく当たり前に発生する自然現象と言っても過言ではなかった。
しかし、人間は遥か昔から食物連鎖のように、自分達よりも下等な種を利用することにより、自らの生活を安寧なものへと変えていくことができた。


ポケットモンスター・・・。


かつては世界中に一大ブームを起こした生物。ポケモンを飼い、ともに生活することが当たり前の時代が存在していた。
しかし、近年ではその概念は消滅しつつあった。
過剰な保護を受け、繁殖しすぎたポケモンは、人間にとっての脅威となってしまったのだ。
人間達の住処を荒らし、食料を奪い、しまいには、人間を死に至らしめる事件が、幾つも立て続けに起きた。
それが全世界での出来事になってからは、ポケモン愛護団体を除いては、誰一人としてポケモンを擁護する人間は存在しなくなった。
人類がポケモンを駆除していくと同時に、別な形でそれらを利用する方針が出来上がっていったのは、それからだった。

ポケモンは、昨今のイジメ問題を解決するにあたって非常に役に立つ種族へと成り得た。

人間は心の奥底で、自分自身に劣等感や、負の感情を抱いたとき、他者(それも弱者)へ攻撃的になる性質があった。(いじめを行う側も、無数のコンプレックスに苦しめられているものである)
その現象が様々な要因や手法を経て実行されることにより、イジメという問題が成立するのだ。
その弱者を、クラスメートでなく、別な種族・・・ポケモンに制定したことにより、至極簡単に人間同士によるイジメ問題は解決した・・・。

また、このポケモンによるイジメ問題の解決にあたり、一人の研究者が大きく貢献した。
彼はピカチュウに深い恨みを持ち、日夜、ピカチュウを根絶することだけに人生を賭け、着実に「ピカチュウ虐殺風土」の輪を広めつつあった。
ピカチュウの繁殖能力は人間の比ではなく、凄まじい勢いで種族を増やしていった。さらに、外見とは裏腹に本来の気質も攻撃的で人間には懐きにくいものだったため、人間に与えた被害は尋常ではなかった。
他のポケモンの8割方は、駆除が進み、根絶するまで間もないという。
しかし、ピカチュウに至っては持ち前の繁殖能力、人間への反骨心によって、なかなか駆除が追いつかない状態で居た。
そのため、男は「ピカチュウ虐殺風土」を世界に浸透させるための一歩として「ピカチュウによるイジメ撲滅計画」を発案したのだ。

男の思惑通り、今や全国の学校では、全ての怒り、暴力、ストレスの矛先がピカチュウに向けられる。
皆、そうして日々の生活を円滑にしているのだ。


~1年1組~

「きゃはは!きゃはは!」

休み時間、教室を包む無邪気な笑い声に混じって、ピカチュウは悲痛な泣き声を上げていた。
生徒達は皆、檻の中のピカチュウを傘で突いたり、檻をメチャクチャに動かしたりして遊んでいる。

「チャアァッ!ピッカァ~!ピカピィ~!」

そのピカチュウは、生まれて間もなかったのだろう。自分に危害を加えてくる生徒達に怯え、小さな身体をプルプルと震わせて泣き喚く。

「つまんねーなぁ!もっと面白い泣き声をあげてみろよー!」

1人の少年がピカチュウの顔を狙って傘で突く。

「ヂャピイィッ!!ピガヂャアァー!!」

目を突いてしまったようだ。必死に目を押さえ、うずくまるピカチュウ。

\きゃははははははは!!/

「カン☆チョーーー!!!」

「チャアアアアアァァァァァァァァァ!!!!」

いたずらっ子の男子が、ピカチュウのアナルに細身の傘を突き刺した。

「ピギイイィィィィッ!!ヂュッ・・・ピギイイィィィ~~~!!!」

アナルを手で抑えたいが、届かずにジタバタともがくピカチュウ。

「檻から出してみようぜ!」

耳を掴まれ、床に放られるピカチュウ。

「ピカアァ!チャアァ~!ピーカー!」

まるで『僕をいじめないで!助けて!』と懇願するかのように泣くピカチュウ。
しかし、生徒達はそんなピカチュウの身体を傘で突き、投げ回し、チョークを口に詰め込んで無邪気に笑う。

「ピイィカアァ~~~!!チャアァア~~~!!」

それから毎時間、ピカチュウは生徒達のオモチャのようにたぶらかされた。


~2年2組~

「電気ネズミなんだろ~?喰えよー!」

「チャアァー!ピッカァー!!ヂューッ!!」

腹が減って食べ物を要求してきたピカチュウに、生徒達は電池を喰わせようとしていた。

このピカチュウはとりわけ生意気な性格らしく、自らの立場を理解しておらず、生徒達に荒々しい鳴き声を上げて威嚇している。
もし、ポケモンの言葉を翻訳できる装置があったならば、その装置の液晶には
『テメェらが食ってるものよりも、まともな飯を出せ!糞人間!』と文字が現れるだろう。

「さっきから何言ってんだよてめぇー!日本語喋れ!」

男子の1人が檻を蹴飛ばす。

「ビイィガアァァァーーーッ!!!ピガッヂューーー!!!」

ピカチュウは元々の気性と空腹のせいもあり、かなり機嫌を悪くしているようだ。
檻を蹴飛ばした生徒に向かって、檻の格子を掴んで騒ぎまくる。

「おーーーい!持って来たぞー!」

ニヤニヤとした表情で生徒達が教室へと入ってきた。

「よし!ゴミ袋で包めー!」

生徒達は、ピカチュウの檻を、透明で大きなゴミ袋の中に入れた。

「ピガヂャアァァ!?ヂュウウゥゥゥ!?!?」

\か~ら~のぉ~??????/

「投入~!」

生徒の1人がゴミ袋の中に何かを入れた。それは檻の格子をすり抜け、ピカチュウの頭上に落ちた。

「ピガァッ!?

・・・・・・チャ、チャアァ~~~~~ッ!!!!!」

それは、トイレに流されずに残っていた人糞だった。

「電池喰わねーんだったらそれを喰え!」

\ぎゃははははははははははは!!/

「ピイィ~~~ヂャアァ~~~ッ!!ビーガヂューーーッ!!」

檻に放り込まれた人糞に、とてつもない嫌悪感を表すピカチュウ。
さっきまでの怒り顔が、泣き顔に変わり、必死に『ここから出して!』と懇願する。

「ギャーハハハ!泣いてやんの!やーいクソネズミィー!!」

生徒達はそんなピカチュウを無視し、ゴミ袋の口を結び、輪ゴムで固く縛った。
ピカチュウを包むゴミ袋の中は、人糞の強烈な臭いで支配された。

「ビイィ~~~ッ!!ビィーーー!!チャアァ~~~ッ!!!」

泣き叫び、激しく暴れまくるピカチュウ。
そのせいで呼吸が荒くなり、数分後には白目を剥き、口から泡を吹いて倒れたという。

~3年3組~

生徒達は休み時間、ピカチュウの檻を持ってプールに来ていた。

「ピカチュウって泳げるのかなァ~~~???」

「無理じゃね~!?」

どうやら、ピカチュウをプールに放り込むつもりらしい。

「ぴぴぃ~!!ちゃぴぃ~~~!!」

檻の中のピカチュウは水場が苦手らしく、狂犬病患者のように、水を見て激しく怯え、震えている。

「そ~~~れっ!!」

なんと、生徒達はピカチュウを檻に入れたままプールへと放った。

「ぢゅぴゃあぁぁぁぁがぼbbbbッ!!ぢyぼbbbbbッ!!」

檻ごと沈んだピカチュウは口、鼻から大量の泡を吹き出して溺れている。

「いっけね、檻から出すの忘れてた」

生徒達はとりあえず、掃除用具のモップを使って檻を引き上げる。かろうじて、ピカチュウは死を免れた。

「ぢゅげっべべぇ!!びげぢゅげっぼぉ!!ぢゅげほっ!ちゅげぇっほっ!!」

ゼェゼェと息を吐いて鳴き、大量に飲み込んでしまった水を吐き出そうとしている。
目が恐ろしいくらい真っ赤になり、まるで別な生き物のようだ。
そこへ、清掃業者の男が走り向かってきた。

「き、きみたちいぃぃぃっ!!」

「なんですかー?」

「い、今・・・このプールに飛び込んだのは誰だいっ!?!?!?」

生徒達は無言でピカチュウを指差す。

「ぢゅげぼぉっ・・・!!ぢゅっげぇぇっ・・・!!げう゛ぉぢゅっ・・・」

「な、なんだ、よかった・・・。君達の誰かが飛び込んだのかと思って驚いたよ・・・」

業者の男は、ほっと胸をなでおろした。

「え、このプール、なんかヤバいんですか?」

生徒の一人が尋ねる。

「そりゃヤバイのなんのって!夏のプールの授業に向けて、超強力な塩素剤で消毒していたんだよ!!
もし、生き物がこのプールの水を少しでも飲んだら、たちまち命が危うくなるだろうね・・・」

そう説明する業者の横で、ピカチュウはいつの間にか血を吐いて倒れていた。

~4年2組~

生徒達は、静かに授業を受けていた。
教室で発せられているのは、教師が板書をする音と、ピカチュウの微かな鳴き声だけだった。

「チャアァ~・・・ピッカァ・・・」

ピカチュウは、他の仲間達がどうなってしまったのか、自分はこれからどうなってしまうのか・・・言いようのない不安で声を押し殺して泣くしかなかった。
しかし、ピカチュウにとって幸いだったのは、このクラスの空気である。
学校の教室、仕事場など、何らかの組織で形成される空間は、その主導者の性格が顕著に表れるものだ。
担任教師が寡黙な性格であれば、その教室の生徒達の性格は徐々にそうなっていくものである。
また、このクラスの教師は他人にあまり興味がなかった。そのため、生徒達もあまり生徒同士で興味を示すことなく、自分達のペースで生活していた。そのため、誰かがからかわれたりすることがなく、元からこのクラスにイジメは無かった。

「ピピィ~~~・・・チャアァ・・・ピガァ~~~!」

かつて仲間達と過ごしていた森で、わきあいあいと温かな暮らしをしていたピカチュウからしたら、そのクラスの雰囲気は不気味に見えた。それが恐怖心を煽り、ピカチュウを泣き喚かせる原因となってしまった。
生徒達はピカチュウに視線を向ける。舌打ちをする生徒もいた。
無言の威圧に耐え切れず、さらにピカチュウは泣き叫ぶ。

「ピィ~~~カァ~~~!!チャアァ~~~!!」

生徒の1人が、黒板消しをもって檻に近づく。

「うるせぇよ、てめぇ」

黒板消しをポンポンと叩く。チョークの粉がモクモクと舞い、ピカチュウの呼吸器官を蹂躙する。

「チュケホホォッ!!ピゲッホォ!!チャゲホォッ!!」

思い切りむせ返るピカチュウ。涙を流して必死に両手を動かし、煙を払う。

「せんせー、ウチのクラスにこいつ要りますかぁ?」

生徒の1人が挙手をして怪訝そうに呟く。

「・・・・・・要らないな。隣のクラスにくれてやろう」

ピカチュウは黒板消しを叩いた男子生徒に連れられ、隣の4年1組に運ばれた。

「失礼します」と言いながら1組のドアを開ける。

「ッピ!?ピガアァァァーーーーーーッ!?!?!?」

先ほどまで居た寡黙な4年2組とは、全く異なる光景に絶叫するピカチュウ。
4年1組に囚われたピカチュウは教室の中央で、全身をコンパスの針や鉛筆で刺され、大量に血を流していた。
しかもそのピカチュウは、2組のピカチュウの親友だったのだ。

「F籐先生、これ、どうしたんですか」

2組の黒板消しの男子が檻を持ったまま、1組担任のF籐先生に素っ気無く尋ねる。

「おお!良い所に来たな!あのクソネズミが授業中にピガピガと五月蝿いもんだから、全員でオシオキしてやったのよ!ガハハ!!」

1組は2組と違い、攻撃的な生徒が多かった。無論、担任のF籐がそうだからである。

「ピーーーカーーー!!ピカッチューーー!!!」

檻の中のピカチュウは、血まみれの親友ピカに向かって、痛烈な鳴き声を上げる。

「ん、そいつはお前のクラスのネズミか?」

「はい、ウチのクラスでは邪魔なんで、良かったら1組にどうかなって」

黒板消しの男子は、檻の中で泣き叫び続けるピカチュウに、冷たい目を向ける。

「ハッハッハァーーー!!そいつぁ良かった!!ありがたく頂戴するぞ!!

おい、お前ら!!新しいネズミだ!!」

\イヤッホォォーーーウッ!!/

歓喜する生徒達。

「早速、檻から出してくれ!!」

黒板消しの男子は、「はい」とだけ言い、檻を開けた。

「ピカピイィィィ!!ピカッピィ!?チャアァー!!」

すぐさま1組のピカチュウに駆け寄る2組ピカ。

「チャ・・・ピ、カァ・・・」

1組ピカは『バカ野朗・・・逃げ・・・ろ・・・』と呟いたのであろう。
もう助かりはしないことは、おびただしい出血で明らかなことだった。

2組ピカは大粒の涙を流して1組ピカにすがりつく・・・その瞬間!!!



「な☆か☆た☆しゅうぅぅぅとおおぉぉぉぉぉ!!!!!」

クラスの中心人物の一人、中田が、1組ピカを蹴り飛ばした。壁に叩きつけられた1組ピカは、断末魔を発することなく、絶命した。

\ナイシュー☆ナイシュー☆ナカタ!もうイッポン!!/

クラスメイトから中田への歓声が沸き上がる。
2組ピカは絶叫もできず、その場に崩れ落ちた。

「なかっちゃーん!ふぉーめーしょんMだ!!」

「おれも加勢するぜー!」

「よォーーーし、メン!コボ!一撃でキメるぜーーーッ!?」

中田の親友、メンとコボがセクシーなM字開脚をし、二段ベッドのように重なる。
中田がさらにその上によじ登り、M字開脚をする。
これが三人の必殺技、「ふぉーめーしょんM」だ!

\ふぉーめーしょんM!完成!!/

担任を含め、クラスの全員がその美しいフォーメーションに羨望の眼差しを向ける。
2組の黒板消しの男子は、既に自分の教室に戻っていた。

「ピガヂャアァーーーーーッ!!」

その時!親友ピカを殺された怒りで2組ピカが吼えた!!
なんと奴は、フォーメーションで一番下のメンの金玉目掛けて、渾身の体当たりを喰らわせたのだ!!

「ギョエェーーーーーーッ!!!」

メンは絶叫する!!バランスを崩し、上にいたコボと中田が崩れ落ちた!!

「アオォォォ~~~~ッ!!!ファオォォォ~~~~ッ!!」

悶絶するメン。
コボと中田は二人で頭を打ったらしく、重なり合う形でのびていた。

\こッ・・・このクソネズミがあァ~~~~~~ッ!!!!!/

「ビイィィィィガアァァァァァァァッ!!!」

「よくも俺の大事な生徒を・・・!!!

てめぇに今日を生きる資格は無ぇ!!!」

全生徒と担任は、2組ピカに襲い掛かる!!

「ヂュウウウゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!!」

一方、4年2組────。

「おい、黒板(クロイタ)・・・」

担任教師が、先ほど2組ピカを1組に運んだ生徒を呼ぶ。
その生徒の名は「黒板(クロイタ)芥子男(ケシオ)」と言うらしい。

「はい?」

「お前がネズミを持っていってからというもの・・・1組が騒がしいが・・・何かあったのか?」

「いえ、いつも通りの1組でしたよ」

「そうか、ま、いっか」

普段通りの、静寂に包まれた2組は授業を再開した。
1組からピカチュウの凄まじい絶叫が響き渡ったのは、それから数分後のことだった。
無論、断末魔であったことは言うまでもない。


~5年3組~

「オラァッ!!せっかく喰わしてやってんだから喰えよォ!!」

生徒達は、腹を空かせたピカチュウに給食を分け与えていた。
ミートスパゲッティには、チーズの代わりに大量のチョークの粉を振りかけて。
スープの具には、教室の角で塊になっていた綿埃をたくさん。
牛乳は一度床にこぼし、丁寧に雑巾で拭き取り、それを絞ったもの。
ピカチュウにとっては、一週間ぶりの食料であったが、いかんせん、喰う気になれなかった。

「喰えって!!」

皿をピカチュウに押し出す。

「ちゃあぁ!ぴかぴぃ~!!」

「あぁ~~~!?『まともな餌を喰わせろ』とでも言ってんのかぁ~~~ッ!?
みんなァ!ヤッちまおうぜ!!」

生徒はピカチュウに首輪を繋ぎ、机の脚にチェーンを繋いだ。そのチェーンを首輪にもつなぎ、準備完了。

「オララァ!!」

「ぴっかぁ!!ちゃぴがぁっ!!ちゅあぁっ!!」

ピカチュウは激しく蹴られまくる。
元々、怪我をしていたのだろう。胴体の傷口から血を流し始めた。

媛奈様から イジメられてまチュウ!
イラスト・フォロワーの媛奈様

「そうやって出された飯に好き嫌いするとイケナイんだぞー!?だから俺はお前にオシオキしてるんだ!!」

「俺も混ざるー!」

「オイラもー!!」

クラス中の生徒達が集まってきてピカチュウを蹴りまくる。

「ぴがぴいぃぃ!!ちゃぴがあぁぁ!!ぢゅあああぁぁぁ!!」

ピカチュウは『食べまちゅ!食べまちゅから止めてくだちゃあぁっ!』と訴える。
しかし、怒りの鉄槌は止まなかった。
数分後、生徒達は給食の後片付けを始めた。ピカチュウは檻の中に戻された。

「ちゃ・・・あぁ・・・ぴっが・・・ぁ・・・」

時既に遅し。先ほどピカチュウに差し出された餌は片付けられていた。
ピカチュウは空腹感に襲われる腹をさすりながら、『こんなことなら、嫌でも食べればよかったでチュ・・・』と後悔し、泣いた。

「だから食べろって言ったんだ!このクソアバズレネズミ!!」

生徒はピカチュウに唾を吐いた。ピカチュウはその唾を拭わず、小さく震えていつまでも泣きじゃくっていた。



~6年1組~

このクラスのピカチュウはメスだった。
臆病な性格のようで、人間達を刺激しないよう、檻の隅でうずくまってガタガタと震えていた。

「ぴぃ…ぴいぃ…ちゃあぁ…」

授業は保健体育の学科。性交による受精や妊娠に関する単元らしい。

「…こうして、女性器の中で射精することにより、精子が卵子と結びついて子供が作られるわけだ!」

「せんせー!よくわからないよー!」

「へへへ・・・実際にやってみせてくださいよォ~~~!」

クラス中が笑い声に包まれる。

「何言ってんだ!性交の実演なんてできるわけないだろう!」

「人間以外でだったらできるよー!」

クラスの生徒達が教室の後方を振り返る。視線はピカチュウに集まっていた。

「ぴ…ぴかぴ…!?」

異様な雰囲気を察したピカチュウ。

「ふむ…まぁ、そうだな。保健体育にも実演は時として必要だよな・・・」

先生はいそいそと服を脱ぎ始めた。
生徒達は歓声を上げる。ピカチュウはとてつもなく怯えた様子で教室を見回す。

「よーし!ピカチュウ、出番だぞー!」

「せーーーっくす!せーーーっくす!」

生徒達は机と椅子を教室の端に掃ける。男子生徒たちが数人、ピカチュウの檻を祭りのミコシのように担いで、教室の中央に運ぶ。

「っぴいぃ!?ぴかぴぃ!!ぴかちゅーっ!?」

ピカチュウは悲鳴を上げる。これから自分の身に、何かとてつもなく恐ろしい行為をされることを察したのだ。
檻を開け、ピカチュウをつまみ出す。

「オラッ!よがり狂えや!」

ピカチュウは床に放り投げられた。

「べがぢゅっ!!…ぴ、ぴかぴぃ!?」

「フウゥ~…フウゥ~…」

ピカチュウの目の前には、全裸になり、ペニスをはちきれんばかりに怒張させた体育教師。
非常に興奮した様子で、鼻息を荒げている。
生徒達は異常なまでに目を血走らせ、教師とピカチュウに向かってセックスコールをし続ける。
体育教師がひざまずき、両手をピカチュウに伸ばして押し倒そうとする。

「ぴっ…ぴいぃかあぁーーーっ!!」

ピカチュウは先生の手をかわし、恐怖で泣き叫びながら生徒達の足元を縫うようにして駆け出し、教室のドアへと向かった。

「あっ!!逃げたぞー!!」

「逃がすなー!!」

「びいいいかあぁぁ!!ぢゅうぅぅぅーーー!!」

ピカチュウは無我夢中でドアを開けて逃げようとする。しかし、ピカチュウの手ではドアの引手に届かず、壁で爪とぎをする猫のように、爪の無い手でドアを引っ掻き回すことしかできなかった。

「びぃかぁぁっ!!ちゃあぁー!!ぴかぴいぃかぁぁー!!」

ピカチュウは誰かに助けを求めるような泣き声で、ドアを引っ掻き回す。
その振動で数ミリほど、壁とドアの間に隙間ができたが、生徒たちによってピカチュウは取り押さえられてしまった。

「ちゃあぁー!!ぴかっぢゅうぅーーー!!」

男子生徒が5人がかりでピカチュウの両耳、両手足を掴み、身動きを取れなくする。
そしてそのままピカチュウを仰向けにし、教師にその身を献上した。
再び、教室はセックスコールの嵐に包まれる。ピカチュウは涙をまき散らして泣き叫び続けている。

「よし、お前ら…よく見ておけ…これが性交だ!!」

教師はピカチュウの性器にむしゃぶりついた。卑猥な音を立てて吸って舐めて、甘噛みをし、口だけで性器を犯しまくる。

「ちゅうあぁぁぁ!!ぴかあちゃぁぁぁ!ぴーーーかぁーーー!!」

先ほどまで恐怖に満ちていた泣き声が、恥辱の叫びに変わる。

「こうやって、よォ~く濡らしてからじゃないと、スムーズな挿入ができないからな!前戯は怠ってはいけないぞ!」

教師はさらに指を突っ込み、ピカチュウの膣内で指を暴れされる。

「おっ・・・意外と深いな」

「ぢゅぴいぃぃぃ!!ぴやぁぁぁ!!!」

ピカチュウは呼吸もまともにできず、ビクビクと痙攣しながら唾液を垂らしている。
男子生徒の中には、ピカチュウの様子を見て、生唾を飲む者も居た。

「こうやって膣内がトロトロに濡れればオーケー!その液体を膣の周り、小陰唇にも塗りたぐるとさらに挿入が楽になる!」

ピカチュウの膣を広げ、愛液をまんべんなく塗りたぐる。

「じゃあ、いよいよだ…挿入!!」

教師のペニスが、ピカチュウの膣に不法侵入してゆく。

「っちゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

濡れているとはいえ、サイズの差異によって、ピカチュウの膣は激痛に見舞われる。
男子生徒に取り押さえられながらも、必死に抵抗しようとしている。
教師は微かな喘ぎ声を出しながら、ピカチュウの膣の奥までペニスを侵入させ、徐々に前後に腰を振ってピストン運動を行う。

「オォっ…なかなかだ…コレがホントの『奥の細道』ってヤツだな…一句できたぞ…。
『狭膣(せまちつ)に、ペニス飛び入る、汁の音』ってな…」

生徒たちは全員、しみじみと情緒を感じながら、性交の異種格闘技戦を見守った。

「アァ~ッ、締め付けがスッゴイから・・・だめだ、もうイッてしまうぅ!!」

「せ・・・先生・・・!」

生徒達は皆、緊張した様子で先生の絶頂を見守った。

「アァッ!アッアァ~ッ・・・!!!

オオオアアアァァーーーーーッ!!!」

「ぢゅあああああああああああ!!!」


ピカチュウは人間に犯された。そのショックで精神が壊れ、虚ろな目でグッタリとしてしまった。

「みんな・・・見たか?これが・・・セックスだ・・・」

「先生・・・!俺達、スッゴク感動したよぉ~~~ッ!!」

「そうか・・・それは・・・良かった」

先生は完全な賢者モードになったようだ。

「お・・・俺達も・・・セックスしたいよぉ~~~ッ!」

数人の男子生徒は、先生の熱い性交実演によって股間が硬くなったみたいだ。

「いいぞ・・・お前ら・・・。ヤッちゃえよ・・・」

「で・・・でも・・・先生!!・・・いいの!?」

「俺は教師だ。お前らの人生の為に成ることならば、何だってヤらせてあげたいさ・・・♂」

熱血教師はさすがである。生徒を想う気持ちが、学校内でポケモンを犯す行為を許可したのだから。

「ッヒョオォーーーッ!!そういうことなら・・・ヤッちゃいまーーーッチュ!!」

「俺も俺もーーーッ!!」

「僕もーーーッ!!」

男子生徒はたちまち服を脱ぎ捨て、ピカチュウに襲い掛かった。

「っちゃあぁ!?!?!?ぴがぴいいぃぃぃ~~~っ!!!」

ピカチュウの膣、アナル、口をそれぞれの生徒の肉棒が塞ぎ、犯す。

「っびいぃ!!っぢゅうあぁ!!ぴgっ・・・ぢyっ・・・!!」

まだ発達が未熟なペニスも、ピカチュウの粘膜を刺激するのには十分な大きさだった。
ピカチュウの身体は、代わる代わる生徒達に犯されていく。
傍観する女子生徒の輪の外でたった一人、その様子を見ている男子生徒がいた。

「あれ、風太(フウタ)君はヤんないの?」

一人、遠くから傍観していたのを女子生徒に気づかれ、うろたえる少年、風太。

「あっ、ぼ、ぼくは・・・いいや・・・」

「ふーん、ま、イザとなれば、ピカチュウとなんていつでもヤれるもんね」

「う、うん・・・」

風太は暗くうつむき、早く授業が終わらないか、と心の中で呟いた。
ピカチュウは生徒達から膣内に精子を放出されまくり、身も心もズタズタに汚されていった。


~職員室~

『・・・ですから、○○先生ッ!!なんでウチの息子がたったの89点なのよッ!?』

「申し訳ございません・・・!私の教育が未熟であったが為に・・・!!」

『いいことッ!?ウチの息子の点数は100点であるべきなのよッ!?それ以上も以下もない!100点ッ!!
その数字だけが真実なのッ!!また次に99点以下の粗末な数字を獲らせたりなんかしたら訴えてやるからねッ!!』


教育者としての立場には、必ずと言っていいほど、大きなストレスがつき物だ。
それは生徒間や、先生との関わり合いの他に、モンスターペアレントによるものも多い。
モンペとの電話を切り、受話器を置いて教師は深い溜息をついた。

「クソッタレのキチババアが・・・テメェの息子の勉強が足りねーんだろうがッ!!」

クレームを受けた教師は、男性職員用のロッカールームで自分のロッカーを開けた。
ピカチュウがギリギリ一匹入るくらいの檻、そして自分で捕まえたピカチュウの耳を引っつかむ。
各クラスだけではなく、職員用のピカチュウも用意されていたが、この職員は毎回、相当数のクレームによって大きなストレスを抱えていた。
そのため、職員室でできる限りの陰湿なピカチュウイジメだけでは、ストレスを解消しきれなくなっていた。

「ヂュアアアァァァ!!ピガヂューーーッ!!!」

「うるっせぇんだよクソダボがァーーーッ!!!」


【ジロ様作・FPS視点殴打ピカ】
イラスト・ジロ様

「ヴォゲァヂュッ!!」

自分で捕獲したピカチュウの為、抜歯は行っていなかった。ピカチュウの歯が全て抜け落ちるまで、殴打は続いた。

こうして、今日も一日が終わる。生徒、教師達の精神が健やかで居られるのも、全ては害獣、ピカチュウのお陰なのだ・・・。

【エピローグ】

「~~~♪」

研究員の男は、その日、学校にピカチュウを献じた後、ある場所に足を運んでいた。
トラックで家路を歩む彼は、一人の少年の後ろ姿を目にする。

「・・・お、あれは風太くんじゃないか」

男は道路の脇をトボトボと歩く少年風太の脇で徐行し、話しかける。

「よぉ、風太くん!」

「あっ・・・あ、研究所の、お兄さん」

「元気無いじゃないか!どうしたんだい?」

「ん・・・えっと・・・」

「君んち、家遠かったよな?送ってあげるよ。乗りな~!」

助手席側に身を伸ばし、助手席のドアを開ける。

「あっ、い、いえ、いいです、よ・・・」

「えーんりょすんなって~!最近、学校がどんな感じなのか、話も聞きたいしさー!」

「は、はぁ・・・」

風太には断る理由が無かったので、男のトラックの助手席に身を預けた。
トラックを発車させた後、少年風太が口を開く。

「今日は・・・ピカチュウを、どうもありがとうございました・・・」

「ん?あぁー!いいっていいって!みんなが仲良くして過ごせる為なら、オヂサン、ピカチュウでもヤクチュウでも何でも捕まえてヤッからよー!ははは!」

「あはは・・・」

風太は力なく笑う。

「・・・なぁ、もしかしてさぁー」

「え、・・・何ですか」

「ピカチュウのことで元気が無かったんでしょ?」

「・・・!なんで・・・わかっちゃうんですか・・・?」

「わかるよ~!オヂサン、勘が良いからね~。自然とそういうのわかっちゃうのサ」

男は温かみのある笑顔で言う。

「じ、実は、僕・・・みんながピカチュウを・・・虐めるのを、見てると・・・少し、辛いんです」

「・・・以前までの自分を見ているみたいで・・・ってことかい?」

「・・・!・・・そうです」

少年風太は、平均よりも遥かに大柄で、目立つ少年だった。見た目とは違い、気弱な性格の為、幼少期から風貌のことをバカにされ、『ブータ』と呼ばれ、イジメの対象となっていた。
しかし、研究員の男の「ピカチュウによるイジメ撲滅制度」によって、風太がみんなから虐められることは無くなった。男は、風太にとっての恩人でもあるのだ。

「そうか~。それはちょっと残念だな~。でもさ、もう君に対してのイジメはなくなったんだろう?」

「はい、全く、無くなりました。・・・本当に感謝しています」

「そんならイイじゃん!あのネズミ達は単なる害獣だからね。ああいう目にあって、絶滅した方が、俺達人間は幸せになれるんだよ。

一瞬、男は、暗く深い闇の中から現れる怪物のような、恐ろしい目つきになった。
しかし、すぐににこやかな顔に戻り、風太をフォローする。

「でも、ま、風太君は優しいからな。どうしても、そういうことも気になっちゃうんだよな」

「・・・お、お兄さんは、すごく良い人なのに・・・どうして、そんなにピカチュウが嫌いなんですか・・・?」

「ん~?・・・んん~~~・・・」

男は困り顔で、片手で頭を掻いた。

「んん~・・・いや、実は昔、妹を殺されちゃってさ・・・」

「!?・・・え・・・・・・?」

「俺が中学生の頃、妹が交通事故に遭ったんだ。なんでも、妹の持っていた花を野生のピカチュウが奪いやがってね・・・。んで、逃げたピカチュウを追って道路に飛び出した妹に向かって、車がドーンって。妹、それで死んじまったんだ」

風太は、疑問に思った。「それでは、直接ピカチュウが殺した訳ではないのでは?」と。

「・・・本当に簡単に説明すると、こんな感じ。「なんだぁ、単なる飛び出し自殺じゃーん」って思った?」

「えぇっ、いや、そんなことは・・・」

「俺も直接事故の様子を見たわけじゃ無かったんだ。初めはそう聞かされてたし。
ところがね、そうじゃなかったんだ」

「・・・どういうことですか・・・?」

「妹が持っていた花を奪い取る瞬間、ネズミは俺の妹に電磁波を喰らわせていたんだ」

「え・・・?」

「妹の付き添いで側にいた看護師さんの目には確認できなかったくらいの、微弱な電磁波だったらしいけどね。しかし、いかんせん、俺の妹は身体が弱かった・・・そんな妹がただでさえ人体に有害な電磁波を喰らったら、全身の筋肉は激しく痙攣し、まともに立ってなどいられない。ましてや、脚を悪くしていたしな。
俺の妹は・・・あのネズミに喰らった電磁波で全身が麻痺し、道路にフラリと倒れたんだ。
まず、大事な花を奪われただけで道路に飛び込むような、バカな頭ではなかったしな・・・」

「そ、そんな・・・」

風太は戦慄する。これ以上、話を聞きたくないとは思っても、男の口からは惨劇の詳細が語られ続ける。

「事故を目撃していた付き添いの看護師さんは、そのときの証言であたかも「妹が自分から道路に飛び出した」と言った。しかし・・・その看護師さんは元、ポケモン愛護団体の一員だったんだ・・・。わざわざ電気ネズミ一匹を庇うために、俺の妹の不注意であったと嘘の証言をでっちあげたんだ。
無論、その後の司法解剖では、妹の身体中から電磁反応が検出された。看護師さんの証言の真偽を問い詰めたら、ワッと泣き出し「ごめんなさい」と謝ってきたよ・・・。でもな、俺の怒りの矛先はピカチュウにしか向かなかった。
その日から俺は・・・ポケモンを憎み、根絶させると誓ったんだ。人の命を奪い、人の感情や倫理観を狂わせる害獣どもを・・・一匹残らず、駆逐するってな。・・・風太君、君は俺を、おかしいと思うかい?」

「・・・それは・・・。・・・でも、僕がその立場だったとしても・・・ポケモンを殺すことはできないかもしれません」

「・・・そうか。まぁ、傍から聞いたら、大げさだし、メンタルを持ち直せなかった自分の弱さを責めるべきなのではないか?って思われるよな。もちろん、俺の他にもポケモンによって家族を失った人や、不幸な境遇に陥った人も大勢いる。その人たちが全員、俺とおんなじ気持ちでポケモンを憎むべきだとは決して思わない。だがな・・・俺はあの時、心の状態が不安定な年齢だった。増してや、たった一人の・・・家族、愛する妹が殺されたんだ。俺がおかしくなるのには、それは十分なキッカケとなってしまった」

風太は、何も答えられなかった。

「風太君。俺の頭は・・・確かにおかしいさ・・・狂ってしまっている。だけど、人は、『些細なキッカケ』で・・・本当に予想できないキッカケが原因で、こんな風になってしまうんだ。
君の人生にどうか、そんなキッカケが訪れないよう、俺は願っているよ。狂ってしまうことは、とても・・・恐ろしいことだから」

男はトラックを停車させた。そこは、風太の家の前だった。

「あ・・・ありがとうございました」

風太は我に返り、ドアを開けて降車する。

「あ・・・風太君、今日聞いた俺の話は・・・忘れていいからね・・・。じゃあな。明日からも元気でな」

男は切さを感じさせるような笑顔で手を振り、去っていった。
夕暮れの中を去っていくトラックを、風太はいつまでも見送っていた。

今日、この日が、風太の未来を変える『些細なキッカケ』となることは、本人自身、まだ知らないことだった。



おわり


あとがき

ちょっと最近、仕事の多忙化&病気してて更新が大幅に遅れてしまいました。すみません。
「更新遅かったのに作品のクオリティ低いぞ」なんて思わないでくだチャアァ・・・ホント許して・・・ブラック企業の社畜は辛いんでチュ・・・

余談ですが、今回のタイトルは、本当は半年以上前から全く別な話で書いていました。
しかし、終盤まで書き終わったところで作風がピカ虐SSっぽくないという理由でお蔵入りになりました。
んで、今回のような話を思いつき、同じタイトルで内容を書き直して公開した所存でございます。
いつかそのお蔵入りになった話は、別な機会で公開できればいいな、と思っております。
それにしても作中の研究員の話し方が自分と全く同じでワロタ

今回は!ピカ虐のフォロワー様の媛奈様とおなじみジロ様から先行イラストを頂きましたッ!!お二人とも、ありがとうございまチュウウゥゥゥーーーーーッ!!!!!///ドピュ・・・ドピュピュ・・・ペロペロ・・・///

あと前回の「ピチューで実験チュー」にはたくさんのコメントありがとうございました。
作品のリクエストをされた方は、もう一度こっちの記事→リクエスト受付け記事のコメント欄にお願いいたします。重ね重ね申し訳ないです。

クリックしてランキングの投票もよろしくなんだぜ→
  1. 2013/04/09(火) 22:36:17|
  2. ピカ虐(長編)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:11
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コメント

ナカタシュートってどっかで見たような…
もしかして、ピカチュウ病んでまチュウ?
  1. 2013/04/09(火) 23:56:22 |
  2. URL |
  3. あ #-
  4. [ 編集 ]

ひでぇ・・・w
  1. 2013/04/10(水) 15:53:48 |
  2. URL |
  3. 名も無き虐待師 #-
  4. [ 編集 ]

毎回楽しませて頂いてます!
体育教師···ヤらせてあげるなんてイケメソw
不法侵入で何かわろたw
これからも頑張ってください(・ω・)
  1. 2013/04/10(水) 18:52:52 |
  2. URL |
  3. ゆず #-
  4. [ 編集 ]

体育教師が素敵!
  1. 2013/04/10(水) 23:28:12 |
  2. URL |
  3. 名も無き虐待師 #-
  4. [ 編集 ]

今回も最高のSSをありがとうございました!!

エピローグもとても良かったです。
  1. 2013/04/11(木) 15:09:10 |
  2. URL |
  3. 面白かったー #-
  4. [ 編集 ]

おおー!イラスト使ってくださったんですか!?
めちゃくちゃ嬉しいです有難う御座います!!

この作品はかなり前の2作品の要素も入ってますよね!!
ピカチュウ呪われてまチュウ!はとても面白くて好きです!(笑)
なんか呪われてまチュウのプロローグみたいな感じですか??これからあのお話に続いてもおかしくないような感じでした。
次回も期待してます!!!
  1. 2013/04/11(木) 18:27:17 |
  2. URL |
  3. 媛奈 #-
  4. [ 編集 ]

ワロタ

体育教師がステキ
  1. 2013/04/11(木) 18:48:36 |
  2. URL |
  3. goddess maria #-
  4. [ 編集 ]

ピカチュウが床にたたきつけられている場面で不覚にも抜いてしまいました。ピカチュウモップでチュウ!でも、床に擦り付けられてる所で抜きました。
  1. 2013/04/14(日) 09:45:11 |
  2. URL |
  3. あ #-
  4. [ 編集 ]

楽しんで読めました!
  1. 2014/08/08(金) 13:40:52 |
  2. URL |
  3. 名も無き虐待師 #-
  4. [ 編集 ]

俺にはマジキチ研究員が実は
少し思い込みが強いだけの普通の人間のように思えてきました。

虐待死よと思ったのはピカチュウが原因で妹が死んだからという理由があるからです。

本当のマジキチは恨みも理由もないのに殺そうとする人間のように思えます。
  1. 2015/06/13(土) 01:15:53 |
  2. URL |
  3. 名も無き虐待師 #-
  4. [ 編集 ]

「ピカチュウの繁殖能力は人間の比ではなく、凄まじい勢いで種族を増やしていった。」
そういえば、繁殖チュウでは交尾から2週間ぐらいで卵をはらんでましたね。
  1. 2015/06/13(土) 20:33:27 |
  2. URL |
  3. 名も無き虐待師 #-
  4. [ 編集 ]

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