穏やかな日差しが射し込む森の中。
父ピカ、母ピカ、子ピカの3匹のピカチュウ親子が仲良く散歩をしている。
父ピカ「ピカピカチュ!ピカッチュー♪」
母ピカ「ちゃあー!ぴっぴかちゅ!」
子ピカ「ピカチュ♪ピカピカッチュー♪」
3匹は森の中で美味しい木の実を採ったり、川原で水浴びを楽しみ、とても幸せな時を過ごした。
父ピカ「ピカピカーチュ!ピッカピー!」
夕暮れが近づき、『暗くなる前におうちへ帰ろう』と父ピカ。
子ピカ「ピカチャア!ピカピカチャアー!」
しかし、子ピカは『まだまだ森の中で遊びたいでチュ!』と駄々をこねる。
父母ピカは顔を見合わせ、可愛い我が子のワガママを聞いてやることにした。
子ピカ「ピッカァ!ピカピカッチュー♪」
子ピカは大はしゃぎし、『森の中を探検しよう!』と行って父母ピカの手を引っ張り出した。
やれやれ、といった表情の父母ピカだが、可愛く無邪気な子ピカを見て幸せな笑みをこぼした。
3匹はこれまで足を踏み入れたことのない、森の奥地へとたどり着いた。見たこともない草木が生い茂り、子ピカはとても興奮している。
子ピカは意気揚々と歩みを進める。父ピカが『あまり遠くへ行かないように』と言おうとしたその時だった。
母ピカ「ちゃぴゃあ!」
母ピカが植物のツタに足を絡ませ、転倒しそうになった。父ピカは母ピカの体を受け止め、態勢を整えさせてやった。
母ピカはお腹の中に第二の子供の卵を孕んでいるのだ。それなりに負担がかかっているはずだ。ツタに足を取られるのも無理はない。
母ピカ「ぴかぴかちゅ!ちゅぴかぁ♥」
父ピカ「ピカピィー!」
頼もしい父ピカに感謝し、頬を擦り寄せる母ピカ。
父ピカは照れながら返事をし、母ピカのお腹をさすってあげた。
母ピカ「・・・ぴか・・・?ぴかぴ?」
そして母ピカは気付きだした。子ピカがいつの間にか姿を消していることに。
父ピカ「ピカピー!ピーーーカーーー!!」
子ピカを呼ぶが、返事は帰ってこない。
父母ピカを驚かそうとして身を潜めたのか、声の届かない場所へ行ってしまったのか・・・。
2匹は不安になり、辺りを見回した。
「ピカピィィィィーーーーーー!!!チャァァァァァーーーーー!!!!!」
数秒後に、子ピカの絶叫が響き渡った。2匹は血相を変えて声がした方へと駆け出した。
すぐ近くに子ピカはいた。
父ピカ「ピガピッ!?」
母ピカ「ちゅあぁっ!!」
子ピカを発見した2匹は驚きの声を上げた。
子ピカは、屈強な身体つきの人間の男に耳を掴まれ、泣きながら手足をバタつかせていたのだ。
子ピカ「ピカピィィ!!チャピカァァァー!!」
『離して!助けて!パパ!ママ!!』と泣き叫ぶ子ピカ。それをじっと無言で見つめる男。
父ピカ「ピガヂャアァァァ!!!
ビガビィィィーーーッ!!」
『手を離せ!!人間!!』と激しく唸る父ピカ。そんな父ピカを無視したまま、男は子ピカの耳を強く握りつぶした。
子ピカ「ッチャァァァァァァァァーーー!!!」
父ピカ「ピガピガヂュウゥゥゥーーーッ!!!」
父ピカは男に向かって全力で電撃を放つ。
しかし、男は身をかわし、服に忍ばせていたナイフを片手で取り出し、父ピカに投げつけた。
父ピカ「ヂュアアアアアアァァッ!!!」
電撃の反動で父ピカはナイフをかわせず、左頬にナイフが突き刺さった。悲鳴を上げて地面を転げ回る父ピカ。ナイフが突き刺さった左頬からは、大量の血と電流が漏れ出している。
母ピカ「ぴかちゃあぁー!!ぴかぴ!?ぴかぴー!!」
父ピカに駆け寄り、身を案じる母ピカ。
母ピカ「ぴ・・・ぴかぴかちゅ!!
ぴかぴかちゅー!!」
母ピカは男に向かって『子供から手を離して!お願い!!』と懇願する。
男は母ピカの方を向き、もう一度泣きじゃくる子ピカを見つめる。
子ピカ「チャ・・・アァ・・・ピカ・・・ピ・・・」
子ピカは耳を強く握りつぶされた痛みと、目の前で父ピカが重症を負わされた絶望感でいっぱいになり、暴れるのをやめて震えることしかできなかった。
恐怖のあまり失禁し、地面に尿が滴り落ちる。
男は無言で父母ピカの傍へと歩み寄る。
母ピカは頬の痛みでうずくまる父ピカに身を寄せ、2匹は恐怖で震えながら、歩み寄ってくる男に目を向ける。
すると男は身を屈め、父母ピカの目の前で子ピカを掴む手を離した。
子ピカ「ピ・・・ピカ・・・チュ!」
子ピカは体の震えが止まっておらず、そのまま地面にペタリと倒れた。
母ピカ「ちゅあぁ!ぴかぴぃ!!」
子ピカに駆け寄り、身体を起こすのを手伝う母ピカ。そのまま父ピカと3匹で男から離れようとしたその時!!
母ピカ「っぴ!?ぴっかぁぁぁぁぁ!!??」
なんと、男は今度は母ピカの耳を掴んで持ち上げたのだ。
再びペタリと転ぶ子ピカと、うずくまったままの父ピカは同時に叫びを上げた。
母ピカは先ほどの子ピカと同じように、空中で両手足をジタバタとさせて抵抗する。男は両手で母ピカの両耳を掴み、思い切り握り潰した!
母ピカ「ぴぎゃあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
ボギリ、と鈍い音がして母ピカの両耳は変な方向へと折れ曲がった。さらに母ピカは痛みのショックで白目を剥いて口から泡を吹き出した。
子ピカはショックのあまり、声を失った。母ピカと同じように気絶する寸前だ。
父ピカ「ピガビィィ!!ピガァァ!!
ピカァァーーーチューーー!!!」
『やめてくれ!大事な家族をこれ以上傷めつけないでくれ!!』と泣いて懇願する父ピカ。
父ピカ「ピカピィィ!!チャピカァァ!!
ピカピカヂューーー!!!」
『俺はどうなってもいい!子ピカと母ピカは見逃してくれ!!母ピカのお腹には新しい赤ちゃんがいるんだ!!』と訴える。
その発言がさらなる悲劇を招く。男は母ピカの腹を触る。卵の確かな手応えを感じたようだ。
男は母ピカの頬を数発殴り、無理矢理母ピカの意識を戻させた。
母ピカ「・・・ぴ・・・・・・ち・・・ゃ・・・」
殴打で薄く意識を取り戻した母ピカ。
『お願い・・・もうやめて・・・』と涙目で訴える。
それを無視して男は母ピカの性器に指を突っ込んだ。
母ピカ「っ!!!びぃっ!!!!びっ、がっ、あぁぁ!!」
激痛で痙攣して叫ぶ母ピカ。父ピカは涙を流し続けている。もう自分たちの家族が助からないことを悟ったかのように。
男は母ピカの性器の中で激しく指をかき乱す。愛撫のためではなく、無理矢理卵を摘出しようとしているのだ。
母ピカは口から声なのかすら判断しづらい音を出して痙攣し続ける。
男は卵が取り出せずイライラした様子になり、より乱暴に指を暴れされた。
母ピカ「っ!!ぴっっ・・・!!・・・ぢっ!!!」
母ピカは性器から出血し、まともに声を上げることができなくなっていた。
そして男は母ピカの性器から血まみれの指を抜き、ついに両手で母ピカの腹を押し潰し始めた。
母ピカ「っっぢゃ・・・あぁぁぁあぁぁああぁぁ!!!!!!」
骨、臓物、そして腹の中の卵と退治がめちゃくちゃに押しつぶされる音と、自身の断末魔が頭の中で反響する感覚の中で、母ピカは息絶えた。
父ピカは涙すら枯れ、虚ろな目でそれを見届けていた。無理もない。先ほどまで幸せの絶頂にいたはずが、一人の人間の手によって一気に絶望のドン底に突き落とされたのだから。
子ピカは白目を剥いて気絶していた。父ピカはいっそのこと、意識がない今、痛みを感じぬよう子ピカを殺して欲しいとすら願った。
男が自分に近づいてくる。
父ピカは自分がこれからどう殺されるのか・・・その恐怖で頭がいっぱいだった。
男は自分の頬に突き刺さったナイフを抜き、それで思い切り父ピカの腹を縦に引き裂いた。
父ピカ「ヂュアァァッ・・・」
これが父ピカの発した最期の声だった。
数時間後。子ピカは目を覚ました。
・・・覚ましてしまった。
最初に感じた感覚は、とても冷たく生臭い海に浸かっているかのような、気色の悪い感覚だった。
そしてその瞬間、再び耳に激痛を覚えた。
男に耳を握り潰された時とは違う、鋭い痛みだった。
子ピカ「チュ・・・!!チュウゥ!?
ピカアアアアアア!!!!」
子ピカは自分の状況を理解した。
自分が今いる場所は、父ピカの腹の中だった。
縦にパックリと引き裂かれた父ピカの腹に、小柄な自分の身体を無理やり詰め込まれているのだ。父ピカの臓物や体液の冷たく生臭い感触が自分の首から下を包み込んでいる。
子ピカは激しく嘔吐し、脱出しようとしたが耳の激痛にそれを阻止された。
なんと、子ピカが父ピカの腹から抜け出せないようにナイフで耳を貫かれ、そのまま刃先が父ピカの頭に突き刺さっていたのだ。
そして自分の真上には、腹をめちゃくちゃに押し潰されて殺された母ピカが吊るされていた。苦痛に歪んだ母ピカの死に顔を見て、子ピカは誰もいない森の中で絶叫を上げた。
「チュアアアアアアアアアァァーーー!!!」
力いっぱい助けを呼んでも、誰も来なかった。
子ピカは夜中まで泣き続け、泣き疲れて意識が途絶え、そのまま凍死したことは誰も知らない。
おわり
- 2015/03/07(土) 21:29:41|
- ピカ虐(短編)
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| コメント:13
過去記事にたくさんコメントして、迷惑だったらごめんなさい。
自分はピカ虐さんのSSを見て、後れ馳せながらピカチュウの魅力に気付きました。
これからも応援しています!
- 2015/03/10(火) 13:39:06 |
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- ジャム丸 #DdiHOXp.
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管理人のピカ虐です。
最近、更新頻度が少なくなってしまってすみません。それでもこのブログを楽しみにしてくださったり、コメントを残して下さる方々がいて本当に嬉しいです。
更新を増やすのは今のところ難しいいですが、お初の方も、常連の方も楽しんでいただけるような作品を書いていけるよう、頑張ります。
- 2015/03/11(水) 09:45:29 |
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- ピカ虐 #-
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