ピカチュウ達の財宝は大切な家族の絆でチュウ!
とある無人島。その一片にある洞窟の中に、莫大な価値の財宝が眠っていた。
その洞窟には、財宝とともに、8匹のピカチュウ・ピチュー親子が住み着いていた。
父ピカ「ピカピー!ピーカー!」
長男ピカ「ピカピカチュー!」
次男ピカ「ピッカピー!」
末っ子ピチュー「ピーチュピチュー!」
家族の中でオスとして生まれた4匹のピカ・ピチュー親子は、毎日、餌を狩りに出かけている。
そして母ピカ、長女ピカ、長女ピチュー、次女ピチューの4匹は、いつものように洞窟の出口で男性陣を見送るのだ。
洞窟に入って道なりに進み、ぽっかりと拓けたドーム型の広場。そこがピカチュウ親子の住処だった。
黄金に輝くコインの山、美しい輝きを放つダイヤ、立派な装飾を携えた王冠・・・。
人間が手にすれば、5世代は遊んで暮らせる程の価値がある財宝だ。
しかし、ピカチュウ親子はこの財宝の価値など全く知らなかった。
それでも、この財宝はピカチュウ親子にとって大事なものだった。
全員が一つずつ財宝の腕輪やペンダントをしており、狩の途中で子供が迷子になったときは、装飾品の輝きを頼りに捜索したり、装飾品を石などで打ちつけて音を出し、お互いの位置を把握するなど、様々な用途に使えたものだった。
また、オスピカ親子が狩から戻ってきたときは、洞窟の入り口で互いが身に着けている装飾品を打ち鳴らし、洞窟の中で留守番をしているメスピカ家族に、帰宅の合図を送っていた。
メスピカ達は、音を聴くのを楽しみにしながら留守番をしていた。
「ぴかぴー!ぴかぴかちゅ!ぴかっちゅ!」
「ぴかーちゅ♪ぴっかっちゅー!」「ぴっちゅぴ!ぴっちゅー♪」「ぴちゅちゅー!ぴーちゅぴー!」
オスピカたちが島の奥へ姿を消したのを確認し、メスの親子は、洞窟の奥である作業を開始した。
今日は末っ子ピチューの誕生日なので、サプライズケーキを作るのだ。
母ピカの指導の下、3匹のピカ・ピチュー姉妹は愛する弟の笑顔を見るため、協力してせっせとケーキつくりに勤しむ。
4人のチームワークの良さもあって、数十分後にはケーキ作りが終わった。
もうすぐオスピカたちが狩から戻ってくるころだ。
メスピカ親子は、愛する家族の帰宅を心待ちにし、皆ソワソワしていた。
しばらくして、洞窟の外で聞きなれた金属音が聞こえてきた。
オスピカ達が帰宅を告げる、あの音だった。
メスピカ達は、ケーキを持って財宝の陰に隠れた。
そしてオスピカ達が戻ってきた瞬間を見計らい、一斉に声を上げて財宝の影から飛び出したのだった。
「「「ぴーーーかぴっかっちゅーーーーー!!」」」「ピカー!?」
「チャー!?」
「ピーチュピー!?」
3匹のオスピカ・ピチューは驚いてしりもちを着いた。
両手に持っていた木の実や草花を撒き散らしてしまい、その様子を見て笑いあうメスピカ達。
「ぴかぴかちゅ!ぴかっちゅ!」
ピチュー姉妹が末っ子ピチューにケーキを差し出す。
「ピーチュー!?ピィーチュピーチュー!!」
ピチューは目を丸くしてケーキを見て、笑顔で鳴きながらその場でぴょんぴょんと跳びはねて喜ぶ。
そして、家族がピチューに祝いの言葉をかける前に、夢中になってケーキにかぶりついた。
食いしん坊なピチューにあきれながらも、心に溢れる愛おしさを拍手に代える家族。
その時だった。
「ぴか?ぴかぴかちゅ?ぴっかっちゅ~?」
母ピカが、気づいたようだ。・・・次男ピカが居ないことに。
「ピカピ?・・・ピカ!?ピーカチュー???」
父ピカは、洞窟に入る直前までは居たはずなのに・・・と、首をかしげる。
男性陣の帰宅時、次男ピカは、外の安全確認をするため、一番最後に洞窟に入ったはずだった。
「ピカピー!ピカチュー!」
僕が外まで探しに行くよ!と長男ピカ。
出口に向かって走り出した、その瞬間だった。
「ビガッヂュ!!!」何かが勢いよく、長男ピカの顔面にぶつかった。
あまりの突然さに、避けることもできなかった。
鼻血を噴き出して後方に吹っ飛び、財宝の山に背中を打ち付ける。
「ヂュ・・・
ピ・・・ガァ」痛みとショックで脳が揺れ、うつ伏せになって地に伏した。
「ピカピカァ!?」
「ちゃあぁぁ!!」
父、母ピカが長男ピカの元に駆け寄ろうとした瞬間、子ピカたちの悲鳴が激しく反響した。
なんと、長男ピカの顔面にヒットしたのは、ボロクズのように身体を引き裂かれた次男ピカだった。
至る所から出血し、四肢を折られ、もはや虫の息である。
両目はドス黒い色の血で鈍く光っている。眼球を潰されたのだ。
「ピガピガヂューーーッ!!ビガアアアアアア!!」家族全員に「奥に下がれ!!」と叫ぶ父ピカ。その時、ピカ達の目の前に、黒い玉のようなモノが飛んできた。
父ピカが「伏せろ」と指示する間もなく、その玉は爆発した。
黒い硝煙が舞い、それを吸ったピカ達は途端に手足が動かなくなり、頬の電気袋に激痛が走る。
皆は、長男ピカと同じように、地に伏してしまった。
「ヂュ・・・!?ヂュウウゥゥゥゥ~!!ピガ・・・ヂュ・・・!!」
父ピカは家族達に「みんな・・・無事・・・か!?」と呼びかけるが、硝煙のせいで喉が潰され、皆はせいぜい、うめき声を出すことくらいしかできなかった。
そこへ、ザッザッ、と忍び寄る足音。動物のものではない。明らかに、人間の足音だ。
突然の非常事態に怯え、震えるピカ家族。そこへ、3人の人間が姿を現した。
「ヒャーーーッハアァーーーッ!!ビンゴビンゴビンゴオオォォォ!!
おい、見ろよコレェ!!ガチな財宝じゃねーかよォ!!」頭髪が1mほどの長さの金髪モヒカンの男が、歓喜の声を上げる。
他の2人は、岩石を擬人化したような屈強な容貌の男と、端正な顔立ちだが、異常に冷たい目を携えた男が居た。
「さっさと回収してズラかるぞ」
「むん」
冷たい目の男がそう指示し、岩石男が返事をする。
恐怖と混乱に呑まれたピカチュ達を相手にせず、男達が自前のバッグに財宝を詰め込んでいく。
かなり大きなバッグをいくつも持ってきたようだ。洞窟内の財宝を全てかっさらうのは容易だろう。
「ヂャアァァ・・・!!ピガッ・・・ヂュ~~~!!」
一家団欒の時に大事な家族を傷つけた挙句、家宝であり、家族の絆そのものである財宝を奪い去ろうとする男達に、父ピカが怒りを露にし、かすれそうな声で男達に喚呼する。
「ピガピイィ・・・!!」 「ぴ・・・ちゅ・・・ちゅ・・・!!」
「ヂャアァァ・・・!!」 「ぴいちゅ・・・ぴ・・・ちゅ・・・!!」
子ピカたちも、つられて泣き喚く。
「ぴかちゃぁ・・・!!ぴ・・・かぁ・・・!!ぴかぴ・・・ぃ!!」
母ピカは血まみれで横たわる次男ピカに寄り添い、震える手で必死に身体をさすり、
「起きて・・・!!死なないで・・・!!」と必死になって呼びかけている。
そこで、宝詰めに夢中になっていたモヒカンの男が手を止め、虫の息になっている次男ピカの身体を踏みつけた。
「ヂギyッ!!!」
次男ピカの身体から発せられたものは、泣き声というよりは、単なる「音」に近かった。
「ぴがぁ・・・!!ぢゃ・・・ぁぁ・・・・・・!!!!!」
目の前で愛する息子が肉塊へと変えられていく。
母ピカは、先ほどの硝煙を吸って喉を潰されていなかったら、とてつもない絶叫をあげただろう。
モヒカンはさらに次男ピカの身体をグジュ、と踏みつけ、不快な音を上げた。
「ヘッヘッヘ~~~♪この子は僕チャンがズッタズッタにしてあげまちたぁ~~~♪
洞窟に入る瞬間、父ピカ達に気づかれないように、素早く羽交い絞めにして連れ去ってナイフでメッタメタにしたんでチュ~♪
こんな風にねェ~~~~~~!!!」モヒカンはナイフを取り出し、母ピカの腹を滅多刺しにする。
「ぢゃあああああああああっ・・・!!!!!!」
本来ならば、メチャクチャに暴れ狂うほどの痛みだが、硝煙の毒のせいでビク、ビクと痙攣させることしかできない。
それでも、無慈悲な痛みが母ピカを襲う。
子ピカ達、父ピカは「止めてくれ」と泣き立てるが、モヒカンは狂ったように笑い、母ピカの身体を蹂躙し続ける。
その蹂躙を止めたのは、勇気ある末っ子ピチューの反攻だった。
「ピイィ・・・ヂュ・・・!!ピヂュ~~~!!」
「お、何だァ、テメー?」
毒に蝕まれた身体で力を振り絞り、モヒカンの足に体当たりを食らわせた末っ子ピチュー。
とはいえ、それは風で吹き飛んだダンボールが接触した程度の衝撃だった。
「ピヂュ・・・ピィー!!ピッチュー!ッピィー!」
泣きながら必死に体当たりを喰らわせるピチュー。末っ子の割りになんと勇敢なのだろうか。
他の子ピカたちが「ピチュー危ない!止めろ!」と制止の声を上げているにもかかわらず、家族の中でも最も小柄である彼は、愛する母親を助けたいがための一心で攻撃を続ける。
「ッピィ・・・!ッピィ・・・!ッピイィーーー!!」
「ハッハァ~!まさに『バァ~ンプ・オヴ・チキィン』・・・弱者の反撃ってヤツゥ???」
モヒカンは不敵な笑みを浮かべ、トン、トン、と脚に体当たりする末っ子ピチューを見下す。
すると、ピチューの口元が汚れていることに気づいたようだ。
「オォ~ン?さ~てはお誕生会でもやっていたのかなァ??」
先ほどまでピチューがかぶりついたケーキを見つけ、ピチューの身体を片手でひょいと持ち上げる。
「ピイィッ・・・チュ・・・!ピッ・・・チュー!」
ヨタヨタと力なくもがき、泣き喚くピチュー。
「ゴメンねぇ~~~・・・オジサン達が一家団欒してるトコに水を差しちゃったワケねぇ~~~・・・。
んじゃあ、オチビちゃん、
君はゆっくりとケーキを味わっていなァ!!!」ピチューを持った手を振り上げ、ケーキに顔面を激突させた。
「ピヂgfッ!!」
そのまま顔面をぐりぐりと地面に押し付ける。
ピカ姉妹は「お願い!ヤメテー!!」と狂ったように泣き叫ぶ。
この男達が居なければ、今日は愛する弟の誕生日会をしていたハズなのに。
家族全員で幸せな時間を過ごしていたハズなのに・・・。
何日も前から、弟を喜ばせようと家族で案を練り、協力して作ったケーキが、弟と共に嬲られていく。
ピチューは蝋燭のように頭からケーキに突き刺さり、戦意を喪失し、動かなくなってしまった。
「おい、遊んでないで早く作業しろ」
冷たい目の男がそう促し、モヒカンはヘイヘイ、と財宝の袋詰めを再開させる。
「ビガヂュ・・・ビガァ・・・ヂュ~~~!!!」
大切な家族を傷つけ、家族の絆である財宝を奪いつくさんとする暴漢を撃退すべく、躍起になる父ピカ。
男達に電撃を喰らわせようと力を振り絞るが、頬の電気袋に激痛が走るだけであった。
硝煙の毒がピカチュウ達の頬の細胞を蝕んでいるのだろう。
屈辱の泣き声を、ただただ無様に漏らし続ける。
「ビイィ・・・!!ビガァッ・・・!!ヂュウゥ・・・!!
ヂュ~!!ヂュ~~・・・・・・!!」
「ッチ・・・ウゼェなテメー・・・」
冷たい男が、父ピカの顔面に拳を突き入れる。情けない泣き声を上げ、顔面を血でぬらす父ピカ。
その表情は絶望と屈辱を混じえたものだった。
「ぴかぁちゅーーー!!!ぴかぴかっちゅ・・・ぴぃかぁ~~~!!」
男達に向かって、長女ピカが泣き叫ぶ。
「これ以上家族に乱暴をしないで!!財宝はあげるから、もう帰って!!」と言っているのだろう。
「ハァハハー!言われなくても、財宝は一つ残らず頂くっつーの!!
でも、欲張りな僕チャン達は・・・君達の命も一つ残らず頂いちゃったりしてェ~~~!?」
邪悪な笑顔でピカ達に視線を送るモヒカン。
ピチュー姉妹は身を絡ませ、ガチガチと震えあがって泣き崩れる。
「む・・・むん・・・」
その姉妹を見て岩男が立ち上がり、のし、のしを歩み寄っていく。
「あ!お前まさか・・・!」
モヒカンが岩男を見て、軽蔑を交えた笑みを浮かべる。岩男は服を脱ぎ捨てながら姉妹に近づく・・・。
「ギャーーーハハハ!!そんなメスネズミに欲情してんじゃねーーーよ!!!」
モヒカンが岩男に向かって笑い飛ばすのとは正反対に、ピチュー姉妹は激しい恐怖によってより大きく震えて泣く。
「っぴいぃぃぃ!?!?!?ぴっちゅううぅぅ!?!?!?」
「ぴちゅぴいぃ!?ぴっちゅーーー!?」
全裸になった岩男に迫られていくピチュー姉妹。
涙をこぼし、じりじりとカタツムリのように逃げ惑う。
岩男は長女ピチューをひょいと拾い上げ、ピチューの未熟な性器をべろん、べろんと舐め回す。
「むうぅ・・・む・・・うぅん・・・」
「ぴいぃぃぃっ!!ちゅっ・・・ちゅうぅー!!」
わたわたと手を動かし、性器を舐められるたびに身体をひくつかせる長女ピチュー。
彼女の性器の味を堪能した岩男は、自身の怒張した陰茎を、そこに無理やり繋ぎ合わせた。
「びいいいいいいいいいいぢゅうううううううううう!!!!!!」自身の性器とは規格外のモノを挿入され、大きく白目を見開いて絶叫する長女ピチュー。
岩男はオナホールのように長女ピチューを前後に激しく動かし続ける。
「びぎいいいいいぢゅううううう!!びいいいいいいい!!!!」「ぴいいいいいいいい!!!ぴちゅーーーーーー!!!!」長女ピチューが上げるのは、断末魔に近い絶叫。
性器を突かれる度に、身体中に激痛が走り、子宮の奥が裂け始めているのを痛感する。
次女ピチューもまた、目の前の地獄絵図に絶えられず、悲鳴を上げる。
岩男は一心不乱に性欲を解消した。その怒張した性器は長女ピチューの子宮を突き破り、内臓まで到達していた。
岩男が絶頂を迎えたのは、長女ピチューが絶命し、単なる性欲処理玩具と成り下がってからのことだった。
「む・・・うぅぅぅぅぅぅん・・・・・・・・・・・・」
性器から白濁液を垂らし、両手で長女ピチューの遺体を握り潰す岩男。
次女ピチューは失禁し、その体液(尿)が岩男の足元まで滴る。
「むん?むぅん・・・」
濡れた足元を一瞥し、頭をかきながら次女ピチューに迫る岩男。
次女ピチューには抵抗する気力は残っていなかった。
自分も姉のように、この男に嬲り者にされるのだと、覚悟した時、左目の視界が暗闇に包まれた。
「びっぎいぃぃぃぢゅうううぅぅぅぅ!?!?」同時に激痛が走る。岩男が自分の左目に口を当て、眼球を吸い込んでいるのだ。
絶叫し、ありったけの抵抗をするが、吸引力は増すばかりだった。
左目の神経から直接、鼓膜に「ブチブチ」と眼筋の切れる音が聞こえる。
「むぅん!!」
「びぢゅぎゅーーーーー!!!」左の眼球が、自分の眼窩から、岩男の口内へと移ったようだ。
脳に響き渡る激痛で視界が歪む。しかし、間もなく何も見えなくなった。
右目も吸い取られ始めたからだ。
「ぴぢゅぴぢゅううぅぅぅ!!ぴいいいぢゅーーーーーーー!!!」右目から、ぶぢ、ぶぢぢ、じゅぽん、と音を立てて次女ピチューは視力を失った。
岩男がその身体から手を離すと、地に落ち、両目を抑えてのたうち回る。
そしてすぐに片手で身体を抑えつけられ、性器に何かを詰め込まれた。
「ぴぢゅっ!!!ぴぢゅーーーーー!?!?」
「だらしない、から、『せん』、する」
そう言いながら、岩男は次女ピチューの性器に彼女の眼球を押し込んでいく。
さきほど次女ピチューが失禁したので、性器の穴を塞ごうと試みたらしい。
口から泡を吹き、故障したオモチャのように痙攣する次女ピチュー。
「オメー、マジでキチッてんなーおい!!目ン玉なんかより、これでもブッ刺しとけばー!?」
モヒカンが財宝の山から宝剣を抜き、岩男に投げる。
空中で柄の部分をキャッチする岩男。
くるりと宝剣を持ち替え、次女ピチューの性器に躊躇い無く挿入する。
「びぢぃっ・・・・・・」
次女ピチューの頭先から、宝剣の刃が突き出た。
性器と頭の傷口からおびただしい量の体液が流れ出る。
「さらに、だらしなくなった・・・」
岩男は次女ピチューを指差しながら、モヒカンに向かってぽつりと呟く。
モヒカンは腹を抱えて大笑いした。
冷たい目の男は、そんな二人に目もくれず、黙々と作業を続けている。
もうすぐ財宝の袋詰めが終わる。あとは袋詰めした財宝を洞窟の外に運ぶだけだ。
「ピッガァ・・・!!ヂュ~・・・!!!」
そんな男に向かって唸り声を上げたのは、先ほどまで地に伏してダウンしていたハズの長男ピカチュウだった。
他の家族たちとは打って変わり、四つんばいになって戦闘の体勢を取り、頬の電気袋をバチバチと唸らしている。
「・・・何だ、テメェ」
男は手を止め、長男ピカを見やる。
「ピガ・・・ピガヂュ~ッ・・・!!ピーガヂューーー!!!」
長男ピカの咆哮。瞬間、男に向かって凄まじい跳躍力で飛び掛かる。
「ッ!!」
寸前で男は後方に跳んでかわし、後転で受身を取る。
長男ピカも壁に足と手を着き、素早く次の攻撃に転じる。
「ビッガァァッヂュッ!!」
尾に電撃を溜め、素早く尾を振り下ろし、その電撃を球状にして払い飛ばす。
男は側宙でそれをかわす。壁に打ち付けられた電撃が凄まじいスパークを放つ。
「クッ・・・!!」
ほとばしる閃光を見て、長男ピカの戦闘力の高さを悟った男。
しかし、息をつく間もなく、長男ピカの次の一手が迫る。
「ヂューーーアアアァァァァ!!!!」
アイアンテール。尾を鋼鉄化させ、男の正面に飛び掛り、その尾を縦に振り払う。
「っあぁッ!!」
間一髪、左足を軸にして右足を引き、身体を半歩、後方にスライドしてかわす。
長男ピカの尾は、地に凄まじい衝撃を与え、激しく砂埃が舞った。
まともに喰らっていたら、果たして骨折だけで済んだだろうか。
男と長男ピカの攻防を傍観していたモヒカンと岩男も、さすがに度肝を抜かれたようだ。
「オイ、オイ、オイ、オイッ!?あのネズミだけ、な~んであんなピンピンしてやがんだァ?」
「たぶん、どく、すわなかった。あいつ、はじめから、ぐったり、してた」
長男ピカは、男達が硝煙弾を放つ直前、次男ピカを投げつけられて激突し、うつ伏せで気を失っていた。
それが幸いし、硝煙の毒を吸飲する量が他の家族と比べて少なかったので、回復が早かったのだ。
「ピィッガアァァッ!!チャアァッ!!ヂュウウゥッ!!ピガッ!!ヂュウウゥッ!!」
電撃、アイアンテール、飛び掛り、電撃、電撃、飛び掛り、アイアンテールからのフェイント電撃、長男ピカのラッシュを男は極度のタイミングでかわす。
男も防御の一点張りでは無かった。
手刀、蹴り、急所めがけての突きを、回避の合間に繰り出す。
しかし長男ピカの動体視力、反射神経は並ではなかった。
長男ピカは、男よりも軽い身のこなしで攻撃を回避し、即座に反撃に転じる。
「おーい、ガ・ム・バ・レー!そ~んなネズミに負ッけんなよォー!!」
「むぅん!」
モヒカンと岩男は助けようとはせず、その場に座り込んでエールを送る。
「るッせぇッ!!負けッかよッ!クッソッ!!」
長男ピカが毛を逆立て、さらに咆哮する。
アイアンテールのラッシュを叩き込み、男を壁際まで追い詰めた。
壁に背を着け、舌打ちをする男。
横に回転しながら飛び掛り、男の腹めがけて真一文字に振りかぶる長男ピカ。
「ビイイィィィィィガヂューーーーーー!!!!」
「おオォッ!!」
轟音が響く。男がいた場所に大量の砂埃が舞いあがる。
その砂埃の上、男は空中にいた。両足で壁と地面を蹴り上げ、大きな弧を描くように跳躍したのだ。
「ピガッ!?」
完全に刺めとなる一撃だった。それをかわされ、吃驚する長男ピカ。
砂埃が大きく舞ってしまい、男を見失った。早く体制を立て直さねば。
「ピガヂュッ!!」
自身の身を包む砂埃から飛び出し、男の位置を捕らえる。
なんと、男は袋詰めにした財宝を片手に持ち、こちらに背を向けている。
「ピガアアァァ・・・!!!」
命のやり取りをしている最中、その財宝がそんなにも大事なのか・・・どこまでも強欲な人間め!!
オスピカは渾身の力を振り絞り、男の背に飛び掛って鋼鉄化した尾を振り上げた。
「来たなッ!!」
即座に男が振り返り、自分の目の前に『何か』を突き出した。
それが何なのかを認識するには、長男ピカの動体視力、反射神経の前ではコンマ1秒も要さなかった。
男は、父ピカの耳を掴み、それを盾のようにして、長男ピカの目の前に掲げ上げたのだ。
「ピガチャアァッ!?」猛り狂っていた長男ピカは、男の予想外の行動に、激しく気を揺さぶられた。
瀕死の父親を攻撃するわけにはいかず、尾の軌道を歪ませ、体勢を大きく崩す長男ピカ。
「貰ッたアァッ!!!!!」男の拳が長男ピカのミゾオチに入る。視界が揺らぎ、短く呻きながら体液を吐き、そのまま宙に浮き上がる。
それを追うように男は垂直に飛び上がり、顔面に蹴りを入れ、洞窟の天井に叩きつけられる。
その瞬間に受身が取れなかったことで、勝負の流れは完全に男のものになった。
天井からの落下中、男が両手の拳を組んで真上からハンマーナックルを振り下ろす。
背中に大きな衝撃が走り、骨が何本か粉砕した激痛だけを感じた。
半端に空気が抜けたバスケットボールのように、男の胸の高さまで鈍くバウンドしたかと思えば、男は両手で自分の身体を鋏み込むように、手刀を喰らわせた。
再び、口から生暖かい体液を吐き出す。
そのまま手刀で突きを繰り出され、男の指が頬の電気袋を貫き、激痛の蓄積によって長男ピカは意識を失った。
「ピガッ・・・ピイ・・ピイィィ!!チャアァ・・・ピカアァァァッ・・・!!」
父ピカが長男ピカに向かって泣き叫ぶ。家族を救う最後の望みが絶たれてしまった。
長男ピカとの死闘によって身体中汗だくになり、呼吸を荒げた男が父ピカの耳を握り締める。
「ヂュアァッ!!」
「マジで参ったぜ・・・テメェのガキが・・・俺を、ここまで追い詰めるとは・・・
さすがに・・・一瞬だけだったが、死を、覚悟したぞ・・・俺はよ・・・」
そのまま片手で父ピカの右足をへし折る。
涙を流し、絶叫を上げる父ピカ。
「野生のネズミにしちゃあ、恐ろしい戦闘力だった・・・特に、反射と瞬発力・・・。
まぁ・・・ハッ・・・逆にそれを利用して・・・やったワケだがな・・・」
男が父ピカを盾にしたのは、単純に自分の身代わりにしようとしたわけではない。
そもそも父ピカに向かってそのまま鋼鉄化した尾を振り下ろされていれば、自分の腕も一緒に切り落とされただろう。
しかし、長男ピカの優れた反射神経と瞬発力からして、そうはならないと男は確信していた。
とっさに目の前にかざされた父ピカに攻撃を当てないよう、尾の軌道をずらすと読んだのだ。
そして、その通りに事が進んだ。
見事に長男ピカは意識を揺らがされ、その一瞬の隙が男にとって反撃の嚆矢となった。
「オイ、お前ら!!さっさと財宝を外に運べ!!
俺は今からこのネズミどもにトドメを刺すからよ・・・!!」
「アイヨー!」「むっん」
モヒカンと岩男は男に促されるまま、財宝を外へと運び出す。
男はかろうじて生き残っている長女ピカと長男ピカ、そして間もなく死亡するであろう、出血多量で虫の息になっている母ピカの三匹を背中合わせになる形で、頑丈なワイヤーで縛り上げた。
長男ピカと母ピカは縛られている間も気絶していた。
唯一無傷である長女ピカは、これまでの地獄絵図を見て精神崩壊し、虚ろな目でぐったりとし、
「ちゃ・・ぴ・・か・・・」と微かな鳴き声を発していた。
男は縛り上げた三匹を洞窟の通路に置き、その傍にダイナマイトを置いた。
そしてダイナマイトの導火線を伸ばし、その先端を洞窟の出口まで引っ張りだした。
三人の男も洞窟から出る。冷たい目の男は、自分の手元でワタワタと泣いて暴れる父ピカに向かってこう告げる。
「今からテメェらの住処を、家族もろとも爆破する。
テメェだけ逃げるか、それとも身体張ってまであのボロクソになった家族を助けるかはテメェ次第だ。じゃあな」
「ピガピィ!?チャアア!ピカピー!!」
男は父ピカの懇願を一切聞かず、導火線に火を点けた。
「チャアァァー!!ピガッ・・・ヂュー!!」
導火線の火が、バチバチと音を立ててゆっくりと洞窟の中へ進入していく。
父ピカは激痛が走る身体を必死になって動かし、導火線の火を追っていく。
その滑稽な動きを見て嘲笑するモヒカンの声がこだました。
洞窟の中からは、意識を取り戻し、現状を理解した長男、長女ピカが助けを求めて泣き続ける。
「ピカピィィ~!!ピカッチュー!!チャアァー!!」
「ぴかぴかあぁぁ!!ぴーかちゃあぁー!!」
何とか導火線の火に追いつき、身体を火に押し当てて消火を試みる父ピカ。
しかし、火は一向に消える気配が無い。
「ピガッヂュ!!ッチャアァッ!!ピカアァァッ!!チャアァーーー!!」
それどころか、身体の傷が火の熱さによって猛烈に痛み出す。
「ピガピガチュー!!」
「ぴかちゃあぁー!ぴーかー!!」
『パパー!助けてー!!怖いでチュー!!』と泣き叫ぶ2匹。
子ピカと一緒に拘束されている母ピカが浮かべている顔は、死に顔そのものだった。
父ピカはその時、あるものを発見した。
縛られた三匹の家族の傍に、ナイフが転がっている。
あれを使えば・・・。
父ピカはまだ数メートル残っている導火線の火を無視し、ナイフめがけて一目散に駆け出した。
そしてナイフを手に取り、三匹を拘束するワイヤーの切断を試みるが、自分の残された力では、傷一つつけることができなかったようだ。
導火線の火は、すぐ傍まで迫ってきている。
「ピカピィ・・・!!ヂュウゥッ・・・!!」
父ピカは、自分の死と引き換えに、家族を救う決断をした。
その手段に出る前に、愛する息子と娘にこう告げた。
「ピ・・・ピカピ・・・チャアァ・・・ピッカッ・・・チュ・・・」
『どうか・・・お前達は、生き残ってくれ・・・非力な父さんを、許してくれ・・・』
首にナイフの刃を押し当て、父ピカは思い切り喉を切り裂いた。
鮮血がほとばしり、その場に倒れこむ。
「ピガヂューーーッ!?ピーカァーーー!!」
「ちゃあああああっ!?ぴかっちゅーーー!?」
父の自決行為に絶叫する2匹。
父ピカの首から噴き出した血が、導火線の火に噴きかかり、火は消えた。
「ピガアアアアアアアアア!!!ピーーーーガヂュウウウウウ!!!」
自分達の命を救うために、父が死んだ。
そのほかの家族も、あの悪魔のような人間達によって嬲り者にされ、死んでしまった・・・。
長男ピカは、込みあがる哀しさと怒りを込めて叫んだ。
洞窟の外を見ると、自分達を凄惨な目に合わせた、あの冷たい目の男がこちらを見据えている。
「ビッガアァァァッ!!ビーガヂューーーーー!!ピーガアァァーーー!!」
自分の怒りと屈辱をぶつけるかのように、長男ピカは叫ぶ。
その時、男が何かを洞窟の中に投げ込んだ。
コン、コン、と地面をバウンドし、自分達の目の前で止まった。
それはピンを引き抜かれた手榴弾だった。
長男ピカは男に向かって業腹の叫びを上げようとしたが、その瞬間に手榴弾が爆発し、ピカ兄妹と母ピカの身体が爆ぜた。
洞窟がガラガラと音を立てて崩れ去るのを見て、男達は船に乗って自分達の住む島へと帰っていった。
そして三人の男達は財宝によって莫大な富を得、実りある余生を過ごしたという。
【エピローグ】
洞窟の通路爆破から数時間後。
「ピ・・・ピィ・・・ピィッ・・・チュ・・・!!」
ピカ親子の最後の生き残り、末っ子ピチューが目を覚まし、自分が埋まっていたケーキから身体を引っこ抜いた。
ケーキが顔に付着したせいか、部屋が真っ暗だ。何も見えない。家族の気配も無い。
あの男達も・・・いない。
「ピチュ・・・?ピィーチューーー!?」
手で顔を拭うが、顔面が傷だらけでとても痛い。周りが見えない、暗い、怖い。
頬の電気袋から電気を発し、照明代わりにしてみる。
洞窟の中がほのかに明るくなる。しかし、その凄惨な光景に戦慄する。
メチャクチャな姿になり、血まみれのボロクズと化した兄妹たち。
立ち込める血なまぐさい死臭。
「ビッ・・・ビヂュgロロロロロロロロッ・・・!!」
ピチューは激しく嘔吐した。
恐怖と混乱で泣き喚きながら、ピチューは洞窟内を駆け回った。
壁伝いに足を進めても、出口はどこにも見当たらなかった。
財宝があったはずの場所にも、何もない。あの男達が、財宝と家族の命を奪っていったんだ・・・
「ピイィィーチュピィ~~~チュ~~~~~!!!」
ピチューは全てを理解し、自分が絶望的な状況にあることを理解して泣き叫んだ。
しばらく泣き続けた後、ある音に気づいた。
「ピ・・・ピチュ・・・?」
ズル、ズル、と聞き慣れない音がする。
その音は段々と大きくなって近づき、足元のいたる方向から聞こえてきた。
「ピチュッ!?ピィィ!?ピーチュー!?ピーーー!!」
不気味に迫ってくるその音にさらなる恐怖を感じ、父母兄妹に助けを求める。
自分以外の親子はもう、この世に居ないはずなのに。
それでも、愛していた家族にすがりたいほどの恐怖心に駆り立てられる。
その時、ピチューの足に激痛が走った。
「ビイイヂュウゥッ!!」痛みと愕きで転倒する。その瞬間、頭、首、腕、腹、足、全身に同じ痛みが走った。
「ピーヂュー!!ピヂュッ!?ピヂュピッヂューーー!!」痛みの正体は、群集で襲い掛かる蛇だった。財宝があった場所の地中に、土蛇の巣があったのだ。
財宝がキレイさっぱり無くなったことにより、土蛇は地上に姿を現したのだった。
そしてすぐに栄養満点の餌、ピチューを見つけたのだ。
「ピヂュッピイィィィ!!ピーヂュピー!!
ピイィィィィィィィ!!
ビヂューーーッ!!
チューーーッ!!
ピイィィィッ!!」肉を喰らわれ、暴れて泣き叫び、家族の名を呼び続けるピチュー。
しかし、叫ぶたびに地中から蛇が現れ、自分を喰らっていく。
ピチューは脳を喰らわれて死ぬ瞬間まで、大好きな家族に助けを求めるかのように泣き続けていた。
【おわり】【あとがき】
↓のリク作です。
莫大な価値の財宝が眠っている洞窟に住み着いてるピカチュウ親子(親ピカと複数のピチューと子ピカ達、またピカ親子は財宝の価値を全く知らないが、自分達の大切なものとしている)を虐待しつつ、目の前で財宝を一つ残らず奪い尽くし、屈辱と絶望を与えるシチュエーションを是非ともお願いします。
なかなか虐待意欲を駆り立てられる僕好みのリクエスト内容でした。
ピカチュウから大事な家族や物を奪うってのは支配的欲求が満たされてイイですね。
自己満ですが、戦闘シーンも書いててかなり楽しかったです。
それにしても約一ヶ月半ぶりの更新・・・楽しみにしていてくださった方々、お待たせしました。
最近、仕事とプライベートで色々あったのでピカ虐は満身創痍でチュー。
今回登場した岩男の風貌のモデルは、漫画、「ブラック・ジョーク」の小玉 童示(こだま どうじ)をイメージしました。
冷たい目の男の風貌は、FE覚醒の「クロム」を悪人っぽくしたようなイメージで書いてました。
目つきをGANTZの西キュンっぽくすればピッタリかも。
クロムタソかっこいいよハァハァあくまで「風貌のイメージ」ですので、実際のキャラの性格とイメージがかけ離れている点においてはご了承ください。
次回作は8月になるまでにうpする予定です。
・・・あくまで『予定』ッ!!↓今更ですがクリックして応援お願いしまッス!
7/25あとがき追記
モヒカンのモデルは様々で、北斗の拳とか、浅野いにおの「素晴らしい世界」のバンドマンとか、友人が書いた小説のキャラクターがモデルとなっております。言動はキチッてますが、顔のパーツ自体は整ってる、といったどうでもいい裏設定があります。
- 2013/07/13(土) 23:53:54|
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